米国レオ・キャンサー・ケア社との立位型陽子線治療システムに関する技術協力の締結
2025年10月06日
住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:下村真司、以下「当社」)は、2025年9月に革新的ながん治療ソリューションを提供する米国レオ・キャンサー・ケア社(Leo Cancer Care、以下「レオ社」)との立位型陽子線治療システムに関する技術協力を締結しました。当社の回転ガントリー(※1)を利用した陽子線治療システムに加え、超電導サイクロトロンを、レオ社が開発した立位型位置決めシステムに組み合わせた、新たな陽子線治療システムの実現を目指します。
【立位型陽子線治療システム】
従来の陽子線治療では患者は寝台に寝た状態で治療を受けていましたが、立位型陽子線治療システムでは、患者は立った姿勢、あるいは座った姿勢で受けることができます。従来の陽子線治療システムと比較すると、設置に必要なスペースや導入コストを大幅に低減することに加え、立位姿勢による患者の快適性向上と患者位置決め精度(※2)の向上、陽子線アーク照射(※3)の導入が期待されます。

【レオ社・CEO スティーブン・トウ氏コメント】
住友重機械工業とのパートナーシップは、単なる技術連携にとどまらず、患者様のためのものです。私たちにとっては常に患者様が最優先です。私たちの立位型ソリューションと住友重機械工業の小型サイクロトロンを組み合わせることで、多くの方々が恩恵を受けられる陽子線治療の実現に向け、大きな一歩を踏み出します。
【住友重機械工業・産業機器事業部長 日朝俊一コメント】
レオ・キャンサー・ケア社との技術協力で、当社の標準的な回転ガントリーを利用した陽子線治療システムに加え、直立姿勢での陽子線治療を可能とするオプションの実現を目指します。これが実現すれば、陽子線治療はより身近で患者に優しい治療法になり、医療用加速器を通じてがん治療の質と量を向上させるという当社の使命を果たすことができます。
(※1)陽子線治療システムの一部で、患者の周囲を回転する大型の機構です。患者の体に様々な方向から陽子線を照射することが可能になり、腫瘍に対して最適な方向から治療を行うことができます。
(※2)患者の腫瘍の位置を、事前に計画された位置に配置する精度。
(※3)ガントリーまたは寝台を連続的に回転させながら陽子線を照射する方法です。従来の複数門照射より、腫瘍により線量集中できることが期待されています。