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メタノール燃料対応タンカーのAiP(設計基本承認)取得のお知らせ

2021年03月22日

住友重機械マリンエンジニアリング株式会社(社長:島本英史 住友重機械工業㈱100%出資)は、2021年3月12日に、メタノール燃料と重油の両方を燃料として利用できるメタノール二元燃料主機を搭載したタンカーの設計基本承認(Approval in Principle)を日本海事協会から取得しました。

メタノール燃料は、今まで主流の燃料である重油に比べて、SOx(硫黄酸化物)の排出がなく、さらに温暖化ガス排出量を約8%低減できるクリーンな燃料であり、しかもLNGや水素などのガス燃料に比べて常温で液体であることから、より取り扱いが容易な代替燃料として注目されています。また、将来的にはCO2リサイクル技術で製造されたメタノールを使用することで、ゼロエミッションも可能とするポテンシャルをも秘めています。一方で、メタノール燃料は引火点が低く毒性もあることから、火災対策や漏洩対策を十分考慮した設計が求められます。本船は、このメタノール燃料を燃焼することが可能な主機、それに必要なメタノール燃料を供給するためのポンプやタンク、制御システムを搭載するほか、二重配管や漏洩検知システムなど、万一の火災や漏洩に対する対策を綿密に検討し、安全性を担保した設計です。このシステム全体の高度な信頼性が認められ、このたび、日本海事協会より設計基本承認を取得しました。
海運業界では、国際的な温暖化ガス排出量の削減の取り組みが行われており、環境性能の高い船舶の登場が期待されています。本船は、船舶からの温暖化ガス排出量の指標であるエネルギー効率設計指標EEDIにおいても、2025年からのPhase 3レベルを遥かにクリアした次世代の環境性能を誇っています。

当社は、今後も技術力・開発力を駆使して社会のニーズに応え、温室効果ガスはもちろん、環境負荷全てを大幅に低減した、地球にやさしい船をお客様に提供し続けていき、持続可能な海運業界の発展へ貢献していきます。

図1.設計基本承認