お知らせ

当社の研究成果がSpringer Nature社「Scientific Reports」に掲載されました

2021年03月17日

住友重機械工業株式会社(社長:下村 真司)の研究成果が、2021年3月16日付でSpringer Nature社の「Scientific Reports」に掲載されましたのでお知らせいたします。
(※)Springer Nature社は、世界最大規模の学術書籍出版社であり、「Nature」をはじめ世界で最も影響力のあるジャーナルを多数発行しています。

今回の研究成果は、分子動力学(MD)法の課題である“計算コスト”の問題を解決する繰り込み群分子動力学(RMD)法に関するものです。
MD法は様々なフィールドでの応用が期待されていますが、巨視的なスケールの計算は計算コストの観点から困難です。一方、繰り込み群は理論物理学の領域で大きな進展をとげ、未解決問題に適用されて成功を収めてきた理論で、MD法の課題である計算効率を劇的に改善しました。

Scientific Reportsに掲載された論文では、3つの問題(①巨視的な弾性球の衝突計算、②潜熱を伴う相転移の計算、③メソスケールの臨界点近傍の計算)にRMD法を適用し、その正しさを証明しました。
また、散逸粒子動力学(DPD)法が、繰り込み群から導出されることも示唆しました。
本論文は、以下の論文掲載先からご覧いただけます。

【論文情報】
論文名:Renormalization group theory of molecular dynamics
著者:市嶋 大路・松村 裕也(住友重機械工業株式会社 技術本部 技術研究所 所属)
論文掲載先:Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-021-85286-3