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住友重機械とNEC、産業機械の故障予兆にAIを活用

2017年12月13日

~RAPID機械学習を使用してプラスチック射出成形機の故障予兆を検出~


住友重機械工業株式会社
日本電気株式会社


住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長、CEO:別川 俊介、以下 住友重機械)と日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO:新野 隆、以下 NEC)は、産業機械の故障予兆の検出にAIを用いる実証実験を行い、プラスチック射出成形機(以下 射出成形機)から出力されたデータを利用した故障予兆の検出に成功しました。
今後両社は、本実証実験の結果をもとに、産業機械におけるAIを活用した故障予兆の検出および生産された製品の良品判定、運転条件や設定の自動調整の実現に向けた連携を進めます。

  • 背景

電動射出成形機では、駆動機構に搭載されたボールねじのメンテナンスを計画的に実施したいという要求があり、故障の予兆の検出が期待されていました。今回、本実証実験では、その電動射出成形機の故障についてAIで予兆を検出できるかの検証を行いました。

  • 実証実験概要

射出成形機に標準的に搭載されているセンサ群の時系列データを利用して、ボールねじが正常な場合と損傷を受けた場合のデータの差異検出が可能かを検証しました。
正常と損傷のそれぞれの時系列データを、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注1)の1つである「RAPID機械学習」(注2)で分析しました。 その結果、1500あるデータセットを20分程で学習し、1データセットあたり0.4秒以内で、正常と損傷のデータを高精度で判別できることを確認しました。

今後両社は、本実証実験の結果をもとに、本故障予兆における環境変動への耐性や、損傷の種別・程度の判定について検証を進めていくとともに、プラスチック製品へのAIによる画像検品の適用や、成形条件の自動調整実現も視野に入れ、NECのAI・IoT技術を活用した、成形工程全体の機能向上を目指していきます。



  • (注2) RAPID機械学習: ディープラーニング技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで傾向を自動で学習するため、データの分類/検知/推薦などの高精度な判断が可能。また、NEC北米研究所の独自技術により、分析エンジンの高速化と軽量化の両立を実現。これにより、大規模なマシンリソースを必要とせずにサーバ1台から分析処理ができるため、幅広い業務や企業への適用が可能。
    参考URL:http://jpn.nec.com/rapid/



<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>

住友重機械
プラスチック機械事業部
【お問い合わせフォーム】
https://shiweb01.shi.co.jp/shiweb01/WebRequest.ns4/j-plasticsjp?OpenForm

NEC  千葉支社 産業営業部
電話:(043)351-7813