お知らせ

X線天文衛星「ひとみ」に「X線マイクロカロリメータ(軟X線分光検出器)」を搭載

2016年02月22日

2016年2月17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したX線天文衛星「ASTRO-H」が、種子島宇宙センターよりH-IIAロケット30号機にて打ち上げられ、「ひとみ」と命名されました。

当社は、本衛星に搭載されている「X線マイクロカロリメータ(軟X線分光検出器)」の開発に携わりました。

この検出器は、エネルギー分解能を高めるためにセンサー部分を0.05K(マイナス273.1度)の極低温に冷却する必要があります。この装置にはNASAが開発した断熱消磁冷凍機とともに、当社の冷却システムが使用されています。

当社はこれまで50年以上にわたり、極低温技術の開発を進めてまいりました。今回の冷却システムは、培われた技術を余すことなく投入することで、過去に例を見ないコンパクトで信頼性の高い冷却システムを実現することができました。

「ひとみ」は、X線で宇宙を観測することにより、宇宙の成り立ちと宇宙に潜む物理現象を解明することを目指しており、当社の冷却システムを含むX線マイクロカロリメータは、本衛星によって世界で初めて軌道上での観測に用いられるため、これまでは見えなかった新しい宇宙の発見が期待されています。

当社は、これまでも天文観測衛星や宇宙ステーション搭載機器を手掛けるなど、宇宙開発に多くの技術貢献をしてきました。これからも貢献を続けていくとともに、さらなる技術力の向上を目指します。

X線天文衛星「ひとみ」  「イラスト:池下章裕氏」