お知らせ

世界初の上下配置式小型陽子線治療システムによる治療開始

2014年10月08日

住友重機械工業株式会社(社長 別川俊介/以下、住友重機械)が長野県松本市の社会医療法人財団慈泉会相澤病院(理事長・院長 相澤孝夫/以下、相澤病院)に納入した陽子線治療システム(以下、本システム)により、9月30日に甲信越地区で初となる陽子線がん治療が開始されました。(10月6日現在、自由診療にて10名の治療を行なっています。)

本システムは、従来よりも大幅に小型化された回転ガントリ照射装置1台(1治療室)を有し、世界で初めて加速器(サイクロトロン)と治療室を上下に配置することにより、敷地面積の大幅節減を実現しました。これにより、敷地面積に制限のある場所にも設置が可能となり、今後のモデルになることが期待されます。照射機構としては、豊富な実績と信頼性を有する拡大ビーム法(ワブラー法)と最先端の照射方法であるペンシルビームスキャニング照射法の両方を有しており、それぞれの特性を生かして対象疾患に応じた治療の使い分けが可能です。一方、患者位置決めシステムとして、2次元画像および3次元画像による高精度画像誘導システムを有しています。

2014年9月30日に行われた開設式

【開設式テープカット出席者】
中央右から右側に向かって
相澤孝夫 様(社会医療法人財団慈泉会 相澤病院 理事長・院長)
田内克典 様(相澤病院 副院長・がん集学治療センター長)
荒屋正幸 様(相澤病院陽子線治療センター センター長)
中央左から左側に向かって
本郷一博 様(信州大学医学部附属病院 病院長)
大西洋 様(山梨大学医学部放射線科 教授)
兼重和人(住友重機械工業株式会社 取締役・常務執行役員 産業機器事業部長)

陽子線治療は、水素の原子核である陽子を高エネルギーに加速させ、がん細胞のみに集中的に照射する放射線治療法の一種です。がん細胞周囲の正常な細胞に対する影響を最小限に抑えることができ、副作用の少ない治療が可能です。外科手術と異なり、体に優しく、通院治療が可能ながん治療法として、世界中で脚光を浴びています。

上下配置式陽子線治療システム(イメージ)