お知らせ

アルツハイマー型認知症の診断薬「florbetapir(18F)注射薬」製造に関する共同開発契約の締結について

2013年08月07日

この度、当社と日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表執行役社長:アルフォンゾ・G・ズルエッタ  以下、日本イーライリリー)は、認知機能障害を有する患者のアルツハイマー型認知症を鑑別する検査に用いられる放射性診断薬「florbetapir(18F)注射薬」を製造する、住友重機械製の薬剤合成装置の国内承認申請に向けた共同開発契約を締結しましたので、お知らせいたします。

アルツハイマー型認知症の原因は、脳内にあるアミロイドβというたんぱく質が凝集しアミロイドβ・プラークとして脳全体に蓄積することで、脳の神経細胞を減少させ、脳の働きの低下や脳の委縮を引き起こし、それらの結果として認知機能の低下を招くと考えられています。「florbetapir(18F)注射薬」は、脳内のアミロイドβ・プラークをPET(陽電子放出断層撮影装置)検査※2により、画像化するために使用される放射性診断薬です。2012年に米国で承認・発売され、今年1月には欧州でも承認されています。日本国内では、日本イーライリリーが本診断薬を製造する薬剤合成装置の医療機器について、今年5月に承認申請をしています。※3
本契約の締結により、住友重機械と日本イーライリリーは「florbetapir(18F)注射薬」を製造する、住友重機械製の薬剤合成装置の医療機器承認に向けた協力を実施し、アルツハイマー型認知症の適切な診断に貢献できるよう、お互いに企業努力を重ねてまいります。

※1)「florbetapir(18F)注射薬」
「florbetapir(18F)注射薬」は、認知機能障害のある患者に対して、アルツハイマー型認知症もしくは他の原因によるかを鑑別するための検査を行う際に、βアミロイド・プラークの密度を測定するためのPET脳画像診断に用いる放射性診断薬です。「florbetapir(18F)注射薬」は他の診断評価方法と併用されるものです。 

※2)PET(陽電子放出断層撮影装置)検査
ポジトロン(陽電子)を放出する検査薬を注射し、その薬が体の中を移動して、脳や各臓器等の色々なところに集まる様子を、体の外から「PETカメラ」を使用し、画像化して検査する方法。この検査薬を検査の目的に合わせて選ぶことにより、脳や心臓、がんなどの診断ができます。

※3)日本イーライリリーは、この共同開発契約とは別途独自に、本診断薬を製造する薬剤合成装置「Neptis plug-01」の医療機器承認を今年5月に申請しています。