お知らせ

液晶パネル製造用スピンレスフォトレジスト塗布装置の開発

2003年01月29日

タ ツ モ 株 式 会 社
住友重機械工業株式会社



 タツモ株式会社(本社:岡山県井原市、社長:鳥越俊男)と住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、社長:日納義郎)は、液晶パネル基板の大型化に対応するスピンレスフォトレジスト塗布装置を開発し販売を開始しました。大型パネル製造用の装置として、国内や海外の大手液晶パネルメーカーに既に採用されています。
 液晶パネルを使った次世代大型テレビの需要は拡大しており、今年中にも国内や韓国の大手液晶パネルメーカーで第6世代や第7世代といわれる大型の基板を使った生産が開始されます。こうした動きに合わせて、今回開発したスピンレス方式のフォトレジスト塗布装置も、新規の注文や引合いが増加しています。  この需要増に対応するため、液晶カラーフィルター用のレジスト塗布装置ではトップシェアのタツモと、装置に組み込む超精密XYステージを製造する住友重機械は、レジスト塗布装置の一貫組立ラインを住友重機械の岡山製造所内(岡山県倉敷市)に新設することを決定しました。 既に昨年12月に着工し、本年2月末に竣工予定です。
 液晶パネル製造用フォトレジスト塗布装置は、素子、電極などのパターンの形成や、カラーフィルターの形成のために、ガラス基板にフォトレジストを塗布する装置です。フォトレジストは最適な露光条件を維持するために、パネル基板上に1~3μmの膜厚を均一に塗布することが求められます。従来の塗布方法は、フォトレジストを基板に滴下し、基板全体を回転(スピン)させ、遠心力で膜を引き延ばす回転塗布方式(スピンコーター方式)が主流でした。しかしながら、液晶テレビへの用途拡大に伴って基板のサイズが年々拡大し、スピンコーター方式による塗布は限界にきています。そのため、今後スピンコーター方式から、スキャニング方式を採用したスピンレスフォトレジスト塗布方式に置き換わることは確実となっていますが、現在本格的に採用されているのは両社の開発した装置のみです。
 今後タツモと住友重機機械は、一貫専用ラインによって工期を短縮し、競争力を高めると同時に、協業によるシナジー効果で液晶パネル基板の一層の大型化に向けた技術開発を推進推進していきます。
 また、タツモは液晶テレビ時代の受注増加に対応する体制を整え、業務提携先である東京応化工業株式会社を通じて積極的に拡販していきます。

【ご参考】
1. タツモ株式会社
本社・工場 岡山県井原市
資本金 3億7千7百万円
社長 鳥越俊男
売上規模 約130億円/年
事業内容 液晶製造装置、半導体製造装置、搬送ロボット、赤外線センサー、
精密金型、樹脂成形、エンボスキャリアテープなどの製造販売

2.住友重機械工業株式会社
本社 東京都品川区
資本金 308億7千1百万円
社長 日納義郎
売上規模 5171億円(2001年度 連結)
事業内容 変減速機、プラスチック加工機械、精密制御機械
医療用機器、レーザ加工システム、環境装置、船 舶、橋梁などの製造販売

3.両社の協業による専用製造ライン
所在地 住友重機械岡山製造所内 (岡山県倉敷市)
着工 2002年12月
竣工 2003年2月月末予定
操業開始 2003年4月初旬予定
クリーンルーム面積 2,520