重要課題の特定

当社グループは、「社会・ステークホルダーにとっての重要度」と「当社グループにとっての重要度」の双方の視点から、重要課題を2020年に取締役会での決議を経て特定し、2024年1月に見直しました。
重要課題への対応を通じて、ステークホルダーの皆様の期待にお応えするとともに、当社グループの持続的な成長を追求しています。

価値創造のための重要課題

よりよい暮らし・働き方の実現
当社グループは、製品の自動化やデジタル化を通じて、お客様やエンドユーザー様の業務負荷軽減、働き方改革、安全性の向上に貢献しています。このような取り組みの更なる深化を通じて、さまざまな産業における働き方改革や、人々のよりよい暮らしに貢献します。
環境負荷の低減
当社グループは、「自社の生産活動における環境負荷の低減」と、「顧客による当社グループ製品使用時の環境負荷低減」の双方が重要であると認識し取り組みを推進しています。また、資源の有効活用を通じた廃棄物削減や、原材料調達における環境負荷の低減などの観点から、サーキュラーエコノミーの実現にも取り組んでいます。

経営基盤強化のための重要課題

従業員の安全・健康・育成
当社グループがグローバル化を加速させ、社会に求められる製品・サービスを提供していくためには、人的資本マネジメントは重要な課題です。住友グループの根底に流れる「事業は人なり」という考え方の下、すべての業務において安全最優先で取り組むのはもちろんのこと、健康経営や人材育成、ダイバーシティ推進等に積極的に取り組んでいます。
製品品質の確保
お客様に高品質で安全、安心な製品・サービスを安定して提供し続けることが当社グループの責務であると考えています。製品品質とは、機能的な特性のみならず、使用される方の安全性への配慮も重要な要素と考え、製品安全の確保にも注力しています。
ガバナンスの強化
グローバルバリューチェーンを展開する当社グループにとって、コンプライアンス徹底、リスク管理は事業の持続的成長において不可欠であると考えています。また、経営の透明性や健全性の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの継続的な強化にも取り組んでいます。
持続可能なサプライチェーンの構築
当社グループのサプライチェーン上には、災害や地政学などの多くのリスクがあると認識しています。グローバルサプライチェーンを構築する当社グループにとって、人権や気候変動などのESGリスクへの対応は、企業の社会的責任及び事業継続の観点から重要であると考えています。そのため、当社グループはCSR調達ガイドラインを定め、品質・コスト・納期といった事項に加え、ESGに配慮した事業活動をビジネスパートナーの皆さまにお願いしています。
地域との共存・共栄
多くの事業拠点を有する当社グループは、地域との共存・共栄の精神が事業継続において不可欠であると考えています。当社グル―プのリソースや強みを活かした社会貢献活動に取り組み、地域社会の発展に寄与します。また、そのような活動を通じて社員エンゲージメントの向上や、社会・環境意識の向上を図っています。

特定プロセス

(1)課題の抽出
機械メーカーに求められる課題を理解するために、SDGs,SASB,ISO26000,GRIスタンダード、同業他社の取り組みを参照しサステナビリティ課題を抽出しました。
(2)課題の絞り込み
社会・ステークホルダーにとっての重要度
抽出した課題のマッピング

本社14部門、主要な15事業部門へのサステナビリティ課題の説明と対話を重ね、外部アドバイザーの意見も取り入れながら課題の社会へ与えるインパクトの大きさ、当社グループにとっての重要度の2軸で評価を行い、課題を絞り込みました。執行役員で構成される経営討議、事業戦略会議において経過を報告し、執行役員の意見を募り、絞り込みに異存がないことを確認しました。

(3)有識者ヒアリング

サステナビリティの専門家のご意見をいただくために、吉高まり様※にご教示をいただきました。吉高様からは「価値創造の課題は環境に関するものだけではなく、社会(労働人口の減少)に関する課題も織り込むこと」といったご意見をいただきました。

  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経営企画部 副部長 プリンシパル・サステナビリティ・ストラテジスト
(4)取締役会での決議
社内の意見、有識者ヒアリングを経て、課題の枠組み・重要度を見直しました。2020年3月の取締役会において、経営の重要事項として決議しました。
今後も社会課題の変化を注視し、重要課題を点検し、見直しを行います。