BNCT治療システム NeuCure®

医療機器が病院で利用されるためには安定した機器の稼働が重要です。陽子線治療システムやPET用薬剤合成システムとして病院内で200台以上使われてきたサイクロトロンを陽子加速器に採用しています。

患者に精度良く中性子ビームを照射するためには、加速器で生成された陽子線を使って中性子を安定して生成できるターゲットが必要です。ベリリウム材とスパイラル冷却機構により、安定した中性子ビームを安全に生成します。

BNCT治療では中性子ビームを照射するため、治療室の放射化と医療従事者の被ばくが課題でした。時間のかかる患者固定と位置決めを治療室に隣接する準備室で行い、患者搬送システムで自動的に準備室から治療室に患者を移動させることで、医療従事者の被ばくが低減されます。

BNCT治療システムでは中性子を照射する位置と方向が固定されているため、治療する部位によって最適な体位を選択する必要があります。臥位だけでなく、座位や立位に対応した患者位置決めシステムで最適な体位の選択が可能です。

BNCT治療計画ではホウ素に加えて人体を構成する様々な物質と中性子の複雑な反応を高精度に計算することが求められます。治療計画システムで線量計算を担うNeuCure® ドーズエンジンは、NeuCure® BNCT治療システムと組み合わせて計算精度が検証されています。治療計画システムのユーザーインターフェースにはRaysearch社のRaystationが採用されています。