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陽子線治療システムの次世代技術

より多くのがん患者が、陽子線治療を含めた最適な治療方法を選択できるようにするために、陽子線治療の臨床的有用性と事業性のさらなる改善が必要です。陽子線治療の臨床的有用性の改善には、呼吸性移動臓器への照射に課題があり、事業性の改善には、建屋体積の低減と患者スループットの増加に課題があります。これらの課題を解決するため、以下のような次世代技術の開発に取り組んでいます。

短時間照射を実現するための超高速スキャニング技術と超電導サイクロトロン

陽子線スキャニング照射では、同一エネルギーの細い陽子線を横方向に走査するプロセスと、陽子線のエネルギー(飛程)を切り替えるプロセスを繰り返して、3次元の標的に線量を投与します。
短時間照射を達成するために、横方向の走査速度を従来比5倍の100m/sに、深さ方向のエネルギー切り替え時間を従来比1/3の100msに高速化しました。さらに、大線量での短時間照射を達成するために、陽子線強度を従来比3.3倍の1000nAに高出力化した、超電導サイクロトロンを新しく開発しました。
これらの組み合わせによって、大型肝細胞がんのような大きな標的でも6秒以内に、肺では2秒以内に照射が完了することが見込まれ、1回の息止めで照射が完了する手技の実現につながります。

超高速照射のコンセプト
超電導サイクロトロン

建屋体積の低減を実現する、シングルルームとマルチルームに最適なシステムデザイン

陽子線治療システム用の建屋体積を低減するため、超電導サイクロトロンと小型360度ガントリを開発しました。
超電導サイクロトロンは従来比64%の直径2.8 mに小型化されています。さらにシングルルームとマルチルームの両方に最適なシステムデザインを採用することで、建屋体積を約30%低減することが可能になりました。
建屋体積の低減により、建設費の低減、工期の短縮も期待されます。さらに、マルチルームや将来拡張オプションなどの選択肢が広がり、様々な集患ニーズや将来計画に対応しやすくなることが期待されます。
この他、サイクロトロンで採用した超電導技術により、加速器の消費電力は従来比44%省エネが実現され、さらに液体ヘリウムフリーの超電導磁石によってより容易なメンテナンスの実現につながります。

シングルルームモデルのシステムレイアウト
マルチルームモデルのシステムレイアウト

患者位置決めを改善する、360度ガントリに搭載された大視野コーンビームCTによる

陽子線治療では、陽子線の照射時間が短い反面、患者位置決めに時間がかかっていました。特に180度ガントリでは門ごとに再位置決めの時間がかかり、インルームCTでは寝台の移動に時間がかかっていました。この問題を解決するために新たにコンパクトな360度ガントリと、大視野のオンボードコーンビームCTを開発しました。
360度ガントリはコンパクトながら、広い患者空間を確保しており、寝台のアイソセントリック回転が±90度可能で、照射方向の選択肢を広げます。また、コーンビームCTの視野は従来比1.8倍の50cmに拡大しました。大視野コーンビームCTによって、高精度な患者位置決めがガントリアイソセンターで可能になります。
これらにより患者位置決めがシンプルになり、治療時間の短縮および患者スループットの増加が期待されます。

360度ガントリ
360度ガントリ

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