▌ 技術部2年目社員の研究発表テーマ(実例)「A社向ワインダースプライス部シャフト交換工事」
A社に既納のラミネータ装置のワインダースプライス部を構成するシャフトが老朽化。 カットの動きが不安定になり、巻き継ぎがスムースに行われなくなったので、新しいものと交換する改造工事を実施することになりました。 装置の改造工事の目的は、1. 生産量アップなど機械装置の性能を向上 2. 老朽化した部品交換などのメンテナンスやオーバーホール の2点ですが、今回の工事は 2. に当たります。 いずれにせよ、稼働中の機械装置を一定期間停止させる必要があるため、お客さまからは大変厳しい納期やコストが求められます。 入社2年目の技術部員Bさんが、実際に工事を担当し、その行程進行を分析して発表しました。
ワインダースプライス部
ロール状に巻き取られた製品フィルムをカットして、別の軸にロール状に巻き継ぐための機構。 生産を止めず連続的に動作を完了させるため、フィルムカットと巻き継ぎは一瞬で行われます。 巻き継ぎが高速でスムースに行われないと、フィルムがたるみ、巻き取りの際にしわが寄ることとなり、製品フィルムとしての価値がなくなってしまいます。
▌ 失敗・苦労・挑戦 そして成長へ
●予想外の出来事
改造工事は、部品交換のみの比較的容易なものと想定していましたが、予想外の大きな問題が起きたのです。
Bさんは、納入時の図面を見て交換部品の手配のみを設計で担当していたところ、現地で工事を始める直前に、組み付け部分の形状が異なることに気づきました。
実は改造を施す部分に、A社において当社の把握していない改造工事がされており、予定していた方法では対応できなくなってしまいました。
●苦労と挑戦
まずは現状の把握をせねばなりません。現地へ赴き、どうすれば部品が取り付けられるかを考え、その場で追加加工をすることを決定。
現状をスケッチ(形状・寸法・組み付け時に干渉しそうな部品とのスペースなどの図を手描きで書き起こすこと)して、それを元に組み付け部の加工図面をCADで作成し、
さらに組み付け部がどう動くかをCAD上で検証しました。組立作業員は、加工部の切断や穴あけなど行い、所定の部品を取り付けました。
●学習成果 失敗から成長へ
結果的に部品を取り付けることはできましたが、コストは予想を大きくオーバーしてしまいました。
この一件でBさんは、事前確認(お客さまの生産状況の把握)の大切さ、そして、柔軟な考えで対処すれば必ず解決できる、ということを実地で学習することができました。
失敗は誰にでもあるもの。それを成長の糧となすことが重要です。Bさんの研究発表は、自身の成長の過程を、丁寧に詳しくレポートしていました。