MBSスクリューは、独自開発による、低発熱で大吐出量を特徴としたバリアスクリュです。
バリア入口部で若干の圧縮を加えて溶融を促進させることにより、バリア入口のメルトチャンネル部に空間を発生させないため、この部分での樹脂の酸化劣化を抑えます。
バリア部のサブフライト(バリアフライト)は、メインフライトに繋がっており、ソリッドゾーンとメルトゾーンとは完全に切り離すことによって、未溶融樹脂がメタリング部に流入しません。
他社のバリアスクリュでは、押出量を増大させる目的でサブフライトの両端(バリア入口と出口部)を開放しているものがありますが、このようなデザインでは未溶融や気泡の防止効果が半減してしまいます。
また、フライトリードと溝深さを変えて断面積を変化させているので、急激な断面形状の変化がなく、樹脂の滞留や押出の変動が発生しにくくなっています。
バリア出口部とスクリュ先端部には、転動・餅つき効果(カオス効果)が大きいB-ミキシング(バリア型ミキシング)を取り付け、さらなる高混練・高押出量を実現させています。
▌ 低発熱で大吐出量
バリア部で未溶融樹脂の前進を防止し、転動・カオス効果により良好な混練が可能となるため、低い樹脂温度でもスクリュー1回転当たりの押出量が増大します。
▌ 押出量と圧力の変動を抑制
溶融樹脂のみ第2溝に流入し、未溶融ソリッドベッドのメタリング部への流入を抑えるため、押出量の変動や圧力変動が少なくなります。
▌ 未溶融粒子の吐出を抑制
バリア部で未溶融樹脂の前進を防いでいるため、メタリング部の樹脂は、ほぼ完全に溶融しています。この結果、未溶融ブツの吐出を抑えます。
▌ 気泡防止効果
樹脂がバリア部を乗り越える際に圧力が発生し、溶融樹脂間のエアをフィード側に押し戻すため、第2溝に気泡が入るのを防止します。気泡が発生しやすいPS・PA・PET・EVOH等に有効です。
▌ 省エネルギー効果
深溝スクリュのため、剪断応力が小さくなり、モータ負荷が低減されることから、省エネとなります。