常時測定されるバブルの円周上の厚さデータをフィードバックし、風温を部分的に制御して偏肉を自動補正するエアリングです。
エアリングの通風路内に60~120本(例:ø350ダイで80本)のヒータがドーナツ状に配置されており、各ヒータの温度を制御することでフィルムの偏肉を補正します。
例えば、偏肉の厚い部分に対応するヒータの通電量を増やして風温を高くすると、バブルのその部分がより多く引き延ばされてフィルムは薄くなります。
マスキングフィルムや多色印刷用フィルムなどの高品質フィルムの高速成形に、不可欠のコンポーネントです。
▌ 手動補正に比べて正確
50μm厚のフィルムを例にとると、手動調整でも±6~7%の補正は可能ですが、実際の量産では室温変化やサイズ替えなどによって±8~10%にまで変動幅が拡大してしまいます。
オートエアリングでは、常に±5%*程度の精度を維持することができます。
*使用する樹脂や成形条件によって異なる場合があります。
▌ BURを選ばない確実で迅速な偏肉補正
ダイリップギャップまたはダイ温度調節式とは異なり、BURの大小にかかわらず、確実で迅速な偏肉補正が可能です。
▌ 形状・品質に影響を及ぼさない成形
偏肉補正後も、円周上のバブル樹脂量および風量は一定なので、バブルの形状が崩れず安定した成形ができるとともに、フィルムに部分的なタルミなどが発生することはありません。
▌ 緻密な制御機構
小型高性能ヒータが円周上に多数配置されており、円周上で細かな偏肉補正を可能にしています。
▌ スピーディな量産移行
立ち上がり時間やサイズ切り替え時間が短縮されます(一般的に10~15min以内)。また、プリセットメモリによりプロファイルの安定した再現が可能です。
▌ 原料コストを抑制
厚さ精度が向上することでフィルムの平均厚さを薄くすることができます。6%から、場合によっては10%の原料コストの節約が可能です。 また、厚さ精度の向上は、印刷工程などの次工程におけるスクラップロスの軽減につながります。
▌ シンプル構造・簡単操作
機械的な動きのないシンプルな構造で、耐久性に優れています。万一ヒータが断線しても外部から簡単に交換することができます。 また、各種の調整の必要がなく簡単に操作でき、メンテナンスもほとんど不要です。
▌ 既存ラインへもローコストで導入可能
既存の製造ラインへの組み込みが容易にでき、他の方式に比較して設備費用を抑えます。