
技術系|新卒採用研究開発
自分のアイデアが研究テーマに。
テラヘルツ波で切り拓く非破壊評価の可能性。
技術本部 技術研究所 電機制御技術部 モジュールグループ
2019年入社 理工学専攻修了
※所属、部門は取材当時のものです。
入社2年目に提案したアイデアが認められ、
テラヘルツ波を使った研究が自らのテーマに。
私は現在、プラスチックを対象とした非破壊評価技術の研究開発に取り組んでいます。テラヘルツ波(電磁波の一種)という“光”をプラスチックに照射し、その反応から内部構造や化学組成、異物混入の有無などを評価する技術の確立を目指しています。
この研究開発のきっかけは、入社2年目に自ら研究開発テーマを提案する機会をいただけたことでした。 私は大学・大学院を通じて、超音波診断装置(エコー)を用いた医療機器の研究に取り組んできました。その経験を活かして医療分野の研究テーマを提案したいと考え、市場調査や特許調査を重ねた末、テラヘルツ波に着目。従来は困難だった波長領域の利用が技術進歩により実用性を帯び始めていることがわかりました。
私はテラヘルツ波を医療診断に応用するという研究開発案を提出。テラヘルツ波を活用するという核となるアイデアが評価され、研究テーマとして形になったのです。現在はプラスチックを対象として研究を進めており、将来的には医療分野への応用も実現したいと考えています。 若手の挑戦に前向きに応えてくれた社風に心から感謝しています。
大学と共同研究をスタート。
再現性の担保に向けてトライ&エラーの日々。
研究開発は自身の提案が端緒となっていることもあり、強い責任感と当事者意識をもって取り組んでいます。開始当初は社内にテラヘルツ波に関する知見がなく、実験環境もゼロからの構築でした。まずテラヘルツ波関連の論文調査を行い、その中である大学の教授が研究を進めていることを知り、アプローチを決意。教授からの快諾を得て共同研究がスタートし、1年で実験用の計測システムを完成させることができました。
現在は、試験条件に合うプラスチックのサンプルを用意し、テラヘルツ波の透過特性などを分析する試みを行っています。 再現性がある評価を安定して得ることは容易ではなく、細かな条件設定や試料形状の統一にも神経を使います。そこで、射出成形機を扱う製造部門をはじめ、社内外の関連部門と意見交換を重ね、精度向上と評価手法の確立に向けて、日々トライ&エラーを繰り返しています。

研究成果を製品化につなげる。
医療機器に関する研究開発の再挑戦を見据えて。
目下の目標は、テラヘルツ波によるプラスチックの非破壊評価技術を射出成形機などの当社製品で活用できる形にすることです。私の研究開発に携わってくださっている方々に恩返しするためにも、3~5年後をめどに製品化を実現させたいと考えています。将来的な目標は医療機器の研究開発に挑戦することですが、まずは現在の研究で確かな成果を出すことが使命だと感じています。当社の特徴である多様な事業領域を活かし、自分の研究が要素技術として様々な製品に応用されていくことも将来的な目標です。
研究開発を進める中で強く感じているのは、異なる分野の知見を結集することの重要性です。技術研究所には、電気、機械、化学、材料、物理など多様な専門性を持つ研究者が多数在籍しており、日々の何気ない会話や議論から新しい気づきを得ることも少なくありません。こうした環境だからこそ、技術の幅が広がり、研究が単なる“自分のテーマ”にとどまらず、要素技術としてさまざまな製品に展開されていく未来を思い描くことができています。自分の研究が誰かの次のチャレンジを支える技術となる——。そんな連鎖が生まれることを楽しみに、これからも挑戦を続けていきます。
1 week Schedule
- 月曜日
- モジュールグループミーティング、
テラヘルツ波実験
- 火曜日
- 論文調査、報告資料の作成
- 水曜日
- 共同研究先の大学に日帰りで出張
- 木曜日
- 知財アイデアの検討
- 金曜日
- 研究の進捗報告、
後輩との1on1、1週間の業務のまとめ