
技術系|新卒採用設計
装置に命を吹き込む制御技術。
現場で培った信頼と成長を、
グローバルな挑戦へつなげていく
パワートランスミッション・コントロール事業部
ドライブソリューション統括部 制御システム部 設計グループ
2017年入社/電子情報工学専攻修了
※所属、部門は取材当時のものです。
オーダーメイドの制御で、装置に命を吹き込む。
Roll-to-Roll(ロール to ロール)搬送装置の心臓部を担う
大量生産を支える Roll-to-Roll 搬送装置。その“頭脳”ともいえる制御システムの設計を担うのが、私の仕事です。搬送対象となるのは、例えば液晶ディスプレイに使われる偏光板や自動車に搭載される二次電池など。フィルム状の素材を巻き出し、加工を施しながら連続搬送し、再び巻き取るこの装置は最終製品ごとに求められる性能や仕様が大きく異なります。モータやドライバ、インバータといった構成部品の選定から、それらを制御するプログラムの設計まですべてがオーダーメイド。そのため私は、装置メーカーや最終製品メーカーの方々と直接やり取りしながら、最適な制御システムを一から作り上げていきます。
もちろん、設計だけですべてが完結するわけではありません。現場では、ノイズによる誤作動など思いがけないトラブルが発生することもあります。そうした時には装置の配線をやり直したり、制御盤の位置を見直したり、時には社内の電気系エンジニアと協力しながら、根本的な原因を突き止めていきます。大切なのは、目の前の現象に粘り強く向き合い、確実に安定稼働へとつなげること。その積み重ねが、次の案件につながる信頼を築くのだと日々実感しています。
コロナ禍を越えてつかんだ成長。
現場で学んだ責任と信頼。
私にとって大きな転機になったのは、コロナ禍の中国出張でした。国内の装置メーカー様からの発注で私は入社2年目から設計に携わっていた Roll-to-Roll 搬送装置の納入と試運転に立ち会う予定でした。通常は約20台のモータを使用するところ、その5倍にあたる100台のモータを内蔵するような大規模な装置で、会社としても非常に注力していた案件でした。しかし、思いがけず発生したパンデミックによって、通常なら関係者が交代で訪れるはずの工程が一気に停滞しました。お客様にとっても素材を延伸するための大型設備として、稼働すれば高い経済効果が見込まれるもので、早期の引き渡しが期待されていました。そのような状況のもと、設計を担当した私と装置メーカーの担当者の方々で中国へ渡航することに。現地では約4か月間、ホテルと工場を行き来し、延伸機の微調整やモータ調整などをひとりで担いながら、トラブル対応に追われる日々が続きました。マスクの装着や検査、行動制限といった制約も多く、精神的なプレッシャーもありました。しかし、試行錯誤を重ねた結果、装置はついに安定稼働に至りました。その瞬間は設計者としての自信が胸に満ちる瞬間でしたが、それ以上に心を打たれたのは、現地で共に困難を乗り越えた装置メーカーの担当者の方に、「君に任せてよかった」と言っていただけたこと。若手である私の提案や判断を信頼し、最後まで任せてくださったことに深く感謝しています。あの一度きりの現場での経験が私のエンジニアとしての軸を強くし、それ以来、どんな環境でも成果につなげる「現場力」と「責任感」を持ち続ける原点となっています。

制御プログラムの標準化を進め、
さらなるグローバル展開に備えたい。
中国で貴重な経験を積んだこともあり、今後はより海外で通用するエンジニアを目指したいと考えています。実際に当社の Roll-to-Roll 搬送装置のうち約半数を超える案件が海外への納入となっています。お客様各社が海外展開を強化する中で、語学力や国際的視点がいっそう求められるようになっています。こうした状況の中で私が注目しているのが、制御プログラムの記述方法の標準化です。装置の仕様やメーカー、さらには設計者によって制御プログラムの作成方法が異なり、同じ製品でも再現性が確保しにくいという課題があります。もちろん、我々が使用している制御プログラムには視認性や柔軟性といった利点もありますが、グローバル展開を見据えた場合、誰が設計しても一定の品質を保てるようにする仕組みが必要です。まずは、若手でも迷わず設計できるような基本構成を明確化し、設計品質の底上げを図る。そしてその上で、海外で主流となっている制御ソフトウェアの習得にも取り組み、国際的な現場でも信頼される技術者を目指したいと考えています。お客様との円滑な意思疎通を実現し、確実に成果へとつなげる。そんな新しい制御エンジニア像を、自らの手でつくり上げていきたいと思っています。
1 week Schedule
- 月曜日
- 顧客問い合わせ対応、仕様確認および設計資料作成
- 火曜日
- チーム内ミーティング、
担当プロジェクトの進捗報告、方針確認
- 水曜日
- 出張(お客様と打ち合わせ、搬送装置の下見など)
- 木曜日
- 製番図面の確認、ソフトウェアの作成
- 金曜日
- 設計グループ内ミーティング、
製番ソフトウェアの動作確認