技術系|新卒採用設計

アルファ線核医学治療用の
サイクロトロン開発を実現し
がん治療の発展に尽くしたい。

産業機器事業部 医療・先端機器統括部 設計部 加速器システムグループ
2020年入社/理学研究科 物理学専攻修了
※所属、部門は取材当時のものです。

学生時代に学んだ加速器の
知識を医療に貢献できる唯一の会社が住友重機械だった。

これからのがん治療のあり方を劇的に変えると期待されている新たな治療法の研究開発が、今国内外で進んでいます。それがアルファ線核医学治療。アスタチン-211というアルファ線を放出する放射性同位体を含む薬剤をがん患者に注射すると、アスタチン-211から放出されたアルファ線ががん細胞だけを破壊するというものです。この画期的な療法に不可欠なのが、アスタチン-211をつくるための新型サイクロトロン。私はその開発プロジェクトのメンバーとして、設計の上流にあたる物理設計を担当しています。
私は、家族ががんを患ったことがきっかけで医療分野に興味を抱き、大学院では医療に応用する加速器(サイクロトロン)を研究テーマにしていました。就職活動では、その技術を医療分野に応用して事業展開している国内唯一のメーカーである住友重機械を第一志望とし活動しました。現在は、学生時代からの念願だった業務に携わることができています。

高度な専門性と世界最高水準の目標値を
達成するため、

全体を俯瞰して戦略を練る視点が重要。

現在携わっているプロジェクトでは、アスタチン-211を短時間で大量につくるべく、サイクロトロンのビーム量を従来機種の数倍に増やすという目標を掲げています。これは他社の追随を許さない世界最高レベルの目標値です。アスタチン-211の大量生産を可能にすることは、速やかな治験の進行と、新たな治療法の早期社会実装につながります。
私は主に、サイクロトロンの中で加速される荷電粒子や、サイクロトロンから取り出された荷電粒子の軌道計算を担当しています。軌道計算のノウハウは社内の第一人者であるベテランエンジニアに学びました。しかし、目標が高い分、試行錯誤や後戻りも避けられません。そこで現在は、上司の助言もあり、やみくもに取り組むのではなく、全体を俯瞰し戦略を練ってから取り組むよう意識しています。
サイクロトロンは複雑に仕様が絡み合う装置です。計測結果を見ても、設計通りになっているかどうかの確認が難しく、一人では判断のつかない現象に遭遇するケースもあります。しかしその分、仲間と議論を重ね、最適解を導き出せたときには、技術者としての知見が広がる喜びを感じます。

最初から最後まで責任を持って
装置に向き合えるのが、

住友重機械で働く魅力。

昨年、当社のベテランエンジニアのご縁でCERN(欧州原子核研究機構)の見学に行くことができました。CERNは、素粒子物理学の総本山。スイスとフランスの国境にまたがった大型加速器の実験施設を見せてもらい、そのスケール感に圧倒されました。また、CERNの職員の方々が当社のベテランエンジニアをリスペクトしている姿を見て、自分がいかに恵まれた環境で学んでいたかを再認識しました。
そしてもう一つ、住友重機械で働く魅力は、装置を責任を持って最後まで見届けられることです。設計だけでなく、工場での組立や試験、納入先での据付、最終調整まで一貫して携わることができます。自分が設計した装置が形になり、現場で稼働する瞬間は、何物にも代えがたい達成感があります。 これからも使命感を持って開発を完遂し、新型サイクロトロンの製品化を実現することが当面の目標です。新たな装置が完成すると、納入先の病院に足を運ぶ機会も増えるでしょう。それによりアルファ線核医学治療が普及して、がんに苦しむ人が少なくなれば、これ以上のやりがいはありません。エンジニアとして今回の経験を一つの取りこぼしもないよう吸収し、将来に活かしていくつもりです。

1 day Schedule

8:00
出社。朝会、グループ内で情報共有
8:15
プロジェクトの定例会。
装置の組立工程で生じた課題の対応策を協議
12:00
昼休み
13:00
試験業務。
工場で組立てられた装置を使い、テストを実施
18:00
退社