千葉テクノロジーセンターで開催している「人気機能デモ」では、実機を用いたデモンストレーションを通じて、省エネ・省人化・省力化を実現する機能をご紹介しています。
その中でも、特にお客様からの関心が高かった、成形機と周辺機器の取り組みをお届けします。
昨今の人手不足を背景に、製造現場では限られた人員での運用が常態化しています。千葉テクノロジーセンターでの人気機能デモにおいても、「段取作業をいかにミスなく、かつ短時間で行うかが課題」といった声が多く聞かれました。こうした状況から、生産効率化は量産工程だけでなく、段取工程を含めた全体で取り組むべき課題となっています。
本記事では、そのような課題に対する解決策として、YUSHIN株式会社様の「ヘッドチェンジャ」と、当社の「取出機条件リンク」を組み合わせた取り組みについて紹介します。
段取作業において、取出機のヘッド交換や条件設定を忘れてしまった経験はないでしょうか。金型交換やパージングといった工程には注意が払われる一方で、取出機側の作業は後回しになりやすく、見落としが発生するケースも少なくありません。
その結果、ヘッド交換忘れや条件の呼び出し漏れなどのミスが起こり、取出不良による異常停止を招くことがあります。場合によっては、不適切な取出機条件により、型開動作とタイミングが合わずに、金型の破損につながるリスクもあります。このようなトラブルは、生産効率の低下や復旧対応に時間とコストを要するだけでなく、納期遅延による信頼低下にもつながりかねません。
また、ヘッド交換作業においても、配線の付け替えや位置調整に手間取ることで作業が滞り、やり直しが発生するといったケースも見受けられます。これにより、作業品質の低下に加え、段取時間の増大といったロスも発生します。
こうした取出機の作業はこれまで人に依存してきましたが、多台数設備を少人数で運用する現場では、その負荷は大きく、見落としやミスのリスクはさらに高まります。
このような課題に対し、取出機の条件設定を確実に成形機に連動させる機能「取出機条件リンク」と、ヘッド交換作業の効率化と確実性を高めるYUSHIN株式会社様の「ヘッドチェンジャ」が有効な解決策となります。
多品種少量生産の現場では、条件切換作業が頻繁に発生するため、その分ヒューマンエラーが起きるリスクも高まります。こうした作業は、現場では作業者の経験や注意力に依存しているケースも少なくありません。
・成形条件は切り換えたが取出機条件の呼び出しを忘れてしまう
・似た取出機条件を流用してみたが、チャック位置や取出タイミングが微妙に合っていない
といったケースでは、そのまま成形を開始すると、不良品の発生や金型・取出機の破損につながる可能性があります。
取出機条件リンクは、成形機の条件呼び出しに連動して取出機の条件を自動で呼び出すことで、こうしたヒューマンエラーを防ぐ機能です。これにより、取出機条件を設定する工程が簡略化されるとともに、呼び出し漏れの防止につながります。
また、成形機と取出機の条件が紐づくことで、製品に対して適切でない取出機条件が使用されるといったトラブルも抑制できます。

一方で、ヘッド交換作業における負担やミスの低減には、YUSHIN株式会社様のヘッドチェンジャや便利機能の活用が有効です。
ヘッドチェンジャを使うと、アタッチメントヘッドをワンタッチで交換でき、従来必要であった工具の使用やエア配管、配線の接続作業が不要になります。
これにより、交換作業の時間を短縮できるだけでなく、接続ミスや締結ミスといったヒューマンエラーの防止につながります。
さらに、位置決め精度が安定することで再現性が確保され、交換後の調整作業が不要になります。
これまで作業者の経験やスキルに依存していた工程を簡略化し、誰でも一定の品質で作業を行うことが可能になります。
また、ヘッドのIDを事前に取出機条件に設定しておくことで、取り付けたヘッドが設定と一致しない場合には、取出機が動作しない仕組みとなっており、交換忘れや取り間違いによるトラブルを未然に防ぎます。

ヘッド交換の際には、取出ロボットを交換位置まで移動させ、作業後に元の待機位置や安全エリアへ戻す必要がありますが、従来はオペレータが手動で横行/前後/上下方向にコントローラを操作して移動させていました。
便利機能を活用すると、ボタンを押すだけで、取出ロボットをあらかじめ記憶させておいた所定位置まで自動で移動させることができます。
手動で操作する必要がなくなるため、オペレータの負担軽減と作業時間のさらなる短縮につながります。
交換のしやすさに加えて、アタッチメント設計にも柔軟に対応しています。3Dプリンタを活用して用途に応じたアタッチメントヘッドの設計が可能です。
これにより、複雑な形状への対応や軽量化、部品点数の削減を実現し、取出設計の最適化につながります。
従来の段取作業では、ヘッド交換や条件の呼び出しをそれぞれ手作業で行う必要があり、作業者による調整も含めて一定の時間を要していました。
これに対し、取出機条件リンクとヘッドチェンジャ、さらに便利機能を組み合わせることで、取出機の条件呼び出しが不要となり、取出機の移動や交換にかかる時間を大幅に削減できます。これにより、空いた時間を他の作業にあてることができるようになり、結果として生産工程全体の作業効率向上が期待されます。

従来、1回あたり約11分を要していた取出機の段取作業は、約1分で完了することが見込まれ、約10分の作業時間短縮が期待できます。段取を1日1回、年間200日、管理台数5台とした現場を想定すると、年間で約167時間の削減に相当します。
これを時給3,000円で換算した場合、年間で約50万円の人件費削減効果が見込まれます。

段取時の条件設定漏れや設定誤り、ヘッド交換忘れといったヒューマンエラーにより、金型や取出機ヘッドの破損が発生した場合、多額の修繕費が見込まれます。例えば、1回の破損につき約40万円の修繕費が掛かるとして、管理台数5台のうち2台で、破損が年1回発生すると仮定した場合、年間で80万円相当の損失となります。
これらのトラブル発生を未然に防ぐことで、コスト削減効果が期待されます。

これらを合わせると、年間で約130万円のコスト削減効果が見込まれます。
段取作業は、1工程当たりの時間は短いものの、対策の有無によって生産性に大きな差が生じる領域となります。
これまで作業者の経験や注意力に依存していた段取作業を、仕組みでカバーする機能が続々と出てきています。安定した立上げと生産品質の維持に向けて、属人化の解消に取り組んでみてはいかがでしょうか。
本記事でご紹介した機能は、千葉テクノロジーセンターで開催している「人気機能デモ」にて、ご体感いただけます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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本記事でご紹介した取出機条件リンクについて、具体的な操作画面をご覧になりたい方は、こちらの記事をご覧ください。
※取出機条件リンクはオプション機能になります。
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窓口:住友重機械工業株式会社 プラスチックソリューションズSBU セールスプロモーショングループ