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『お客様と共に』ローカル社員が語るベトナムの変化と仕事への想い

これまで連載企画『お客様と共に』では、海外拠点で活躍する駐在スタッフをご紹介してきました。
今回からは、現地にゆかりのあるローカル社員をご紹介します。地域をよく知り、お客様に近い立場で日々活動する彼らだからこそ感じる市場の変化やお客様の声、そして仕事への想いをお届けします。

プロフィール

ベトナム・ハノイ出身のNguyen Thien Chinh(チン)です。年齢は49歳で、フランスの大学に通う娘が1人います。
住友重機械で働き始めて21年になります。現在はSHI Plastics Machinery (Vietnam) LLCのGeneral Service Managerとして、サービス業務全般を担当しています。

私が住友で働き続ける理由

住友グループは大企業であり、優れた職場環境と長い歴史を持っています。ベトナムでは10人中8人が住友ブランドを知っており、そのようなグループの一員であることを誇りに思っています。
お客様の会社を訪問した際も、住友の名前を伝えるだけで安心していただけることが多く、「このブランドを選んで良かった」と感じていただけます。

私はこの仕事が大好きです。サービス業務を通じてさまざまな都市や地域を訪れ、多くの人と交流する中で、それぞれの地域ならではの文化に触れ、日々新たな学びを得ることが出来るからです。また、機械の修理、とりわけ新しい技術的な課題に取り組むことも楽しんでいます。
ただ、年齢を重ねるにつれて、体力面の負担もあり、若い頃のように頻繁に出張することは少なくなりました。その代わり、若いエンジニアチームを管理する立場として、自分が若い頃に持っていた情熱や経験を彼らに伝えていきたいと考えています。

国・市場・文化の変化

近年、ハノイ市とホーチミン市は大きく変化しています。急速な近代化やインフラ整備が進み、人々の生活スタイルも変わってきました。
両都市にはすでに地下鉄が開通しており、ハノイでは中国とフランスから導入された車両が、ホーチミンでは日本から導入された車両が運行しています。今後も新路線の整備が進む予定で、交通渋滞の大幅な緩和につながると期待されています。

また、非常に興味深い変化として、「現金の消滅」が挙げられます。両都市ではほぼ完全にキャッシュレス化が進んでおり、屋台の飲食店、伝統的な市場、バイクタクシーでさえ、QRコード決済や電子決済による支払いが当たり前になっています。

買い物のスタイルも変わりました。SNSを活用したECの普及により、従来のWebサイト中心の購買行動から、SNS上で配信される短いライブ販売動画を見て購入するスタイルへと変化しています。

交通事情も以前とは違います。以前は交差点に長いバイクの列が並んでいましたが、現在は自動車専用レーンが増え、自動車による排出ガスが大きな課題となっています。私たちの都市であるハノイは、世界でも大気汚染が深刻な都市の一つとして知られています。
そのため政府は、EVへの切り替え促進や一部中心部でのガソリン車の走行規制など、排出量削減に向けた新たな政策を進めています。当初は反対する声もありましたが、人々は徐々にその変化を受け入れるようになりました。今後さらに都市鉄道網が整備されれば、公共交通機関の利用も増えていくと思います。

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仕事の面では、企業が環境問題に対して以前よりも高い意識を持つようになったと感じています。ISO環境認証の提示や排出削減への取り組みを求められることも増えており、以前にはなかった変化です。
また、お客様の工場を訪問すると、スマートで環境にやさしく、クリーンな工場づくりを目指す動きが強まっていることを実感します。AIを活用した製造への関心も高く、住友重機械の射出成形機にAI技術がどのように活用されているのかを質問される機会も増えています。

日系企業のお客様とのエピソード

日系企業のお客様は私たちにとって主要なお客様となります。毎月の売上の半分以上を常に占めており、サービス事業における最重要市場です。
お問い合わせには通常24時間以内に対応していますが、一部の特殊部品に限っては十分に在庫できないという制約があり、お客様への対応が遅れてしまうこともあります。そのような難しい案件では日本人社員に相談しながら解決策を検討しています。日本人同士でコミュニケーションを取った方が良い結果につながることも多いためです。

私が初めて日系企業で働き始めた頃は、日本文化を十分に理解していませんでした。お客様との約束では驚くほど時間厳守が求められ、訪問時や退社時の挨拶は欠かせません。また、「ありがとう」という感謝の言葉をとても大切にする文化にも驚きました。
ベトナム人とは違い、日本人は通常握手をせず、お辞儀をします。私はその文化に少しずつ慣れ、とても興味深いと感じるようになりました。そして、その経験は娘に対しても、時間を守ることや効率良く仕事を進めることの大切さを教えるきっかけになっています。

私にとって日系企業のお客様は非常に大切な存在です。そのため、このお客様層に対する私のモットーは「お客様の信頼こそが私たちの利益」です。
私は常に最高のサービスを提供し、お客様の機械が長期間停止しないよう努めています。お客様は安定した生産を続けることができ、私たちは修理サービスによる収益を得ることができます。まさに双方にとってWin-Winの関係です。
また、スタッフにも、お客様との信頼関係を最初から築くことの重要性を伝えています。ベトナム市場では競合他社も増えていますが、信頼こそが私たちの強みになると考えています。

現地企業のお客様とのエピソード

現地のお客様は、日系のお客様とは異なった特徴があります。
多くのお客様はコストを重視しており、機械が故障しても修理費用をできるだけ抑えたいと考えています。そのため、無償での修理対応を求められることも少なくありません。私はそのような要望に対しても、お客様の立場に寄り添いながら、最も費用対効果の高い解決策を一緒に考えるようにしています。

過去に、私のスタッフが数日間にわたり工場で修理対応を行った際、人件費は請求せず、部品代のみをご負担いただいたこともあります。
時にはこのような対応をすることで、住友重機械への信頼を築いてきました。その結果、現在では新規で機械を購入される再には、まず住友重機械の射出成形機を思い浮かべてくださるお客様も増えてきたと感じています。

現地企業のお客様に対する私のモットーは「行動で信頼を築くこと」です。
若いメンバーの情熱と教育への熱意を生かしながら、住友重機械の先進的な機械を初めて導入されるお客様に対しても、できるだけ迅速かつ効率的に対応し、信頼関係を築いていきたいと考えています。住友重機械はベトナムを代表する射出成形機ブランドの一つであり、その価値をこれからも伝えていきます。

今後の目標

私の最大の目標は、ベトナムのサービスチームを東南アジアでトップのチームにすることです。
私たちのチームは若く、情熱があり、高い技術力を持っています。このアフターサービス活動を通じて、より多くのベトナム企業に住友重機械の機械を知っていただき、この優れた「利益を生み出すツール」を体験してほしいと思っています。

個人的な抱負はそれほど大きなものではありません。年齢を重ね、以前ほど大きな野心を持つことはなくなりました。
それでも、SPMベトナムがこれからも成長と発展を続け、毎年の目標を達成し、社員全員で一緒に旅行に行ったりと交流の機会が増えることを願っています。
そして何より、私たちのチームが仕事の中でも外でも本当の家族のような存在になることが理想です。それがチームリーダーとして、私が大切にしている想いです。

jp-0073-02.png左からSPM ベトナムのメンバー、SPMベトナムのメンバーとその家族




今後も、世界各地で活躍するローカル社員にスポットを当て、それぞれの国の文化や仕事への想いをお届けしていきます。今回はベトナムのチンさんからお話を伺いました。
次回は別の地域で活躍するローカル社員へバトンをつなぎます。どうぞお楽しみに。


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