成形品に、思わぬ色ムラが出てしまうことはありませんか?
マスターバッチが均一に混ざらず、製品に筋状の模様が出てしまう、成形条件を調整しても改善しないといった経験をされた方も多いのではないでしょうか。
色ムラは、樹脂の混練不足によって着色剤が均一に分散しないことが原因で発生します。特に、外観品質が重視される製品では、わずかなムラでも不良品扱いとなり、歩留まりが悪化します。改善するためには、一般的に背圧や温度など成形条件を調整する必要がありますが、こうした対応は成形サイクルの延長や別の成形不良の発生などを招く恐れがあります。
こうした課題にアプローチできるのが、混練性能に特化した「ダルメージスクリュ」です。
一般的なスクリュでは、樹脂はメインのフライトの溝に沿って前方へ流れ、圧縮される過程でせん断力が生じ、混練が進みます。
ダルメージスクリュでは、このフライト間に一回り小さくした〈サブフライト〉を設け、樹脂がサブフライトを乗り越える際に発生するせん断力を利用し、混練効果をより高めています。さらに先端部には〈ダルメージ〉形状を採用し、サブフライトと同様の原理を用いることで、両者の相乗効果により樹脂の混合が飛躍的に向上します。その結果、着色剤が均一に分散し、色ムラを大幅に低減します。
対象スクリュ径はΦ32~90で、幅広い製品サイズに対応可能です。食品や化粧品の容器、玩具、文具など、外観品質が重視される製品に最適です。
このスクリュを採用することで、圧倒的な改善効果が確認されました。
色ムラを測定し数値化した結果、当社の標準スクリュ(SDスクリュ)を100%とした場合、ダルメージスクリュではわずか4%まで低減しました。外観不良の低減により、良品率が向上し、廃棄ロスの削減によるコストダウンも期待できます。

色ムラの解消には、ダルメージスクリュの採用だけでなく、適切な成形条件の設定や多様な機能の活用も欠かせません。
当社では、成形相談も承っておりますので、外観品質の向上や色ムラ対策をご検討中のお客様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ガラス繊維を含まない汎用樹脂