連載企画「お客様と共に」の第4弾をお届けします。この記事は、記事に登場する社員が次の記事で紹介する社員を選び、リレー形式で進行していきます。4人目はタイを拠点に活躍する荒川 真穂(あらかわ まほ)さんです。
・氏名:荒川 真穂 Maho Arakawa
・所属:SHI PLASTICS MACHINERY (THAILAND) Ltd.
・役職:SALES REPRESENTATIVE
・入社時期:2022年
※所属、役職は2025年12月時点の情報です
現在、タイのバンコクを拠点としてプラスチック射出成形機の営業を行っております。タイのバンコクにオフィスがあり、テクニカルセンターも併設しております。私を含め日本人スタッフ、ナショナルスタッフが多数在籍しており、日々お客様の課題解決に取り組んでおります。
私の仕事内容は、日系新規のお客様を中心に、一部中華系のお客様の営業担当として、成形機の販売促進活動を行っております。加えて、ナショナルスタッフ担当ローカル顧客に同行し、仕様打合せ、商談サポートを行っております。
タイは一年中暖かく、外に出るたびに南国らしい明るさと活気を感じる国です。特に4〜5月は40℃近くまで気温が上がるほど暑い一方、雨季には突然のスコールで道路が冠水することも多く、日々の急な気候の変化も生活の一部になっています。
バンコクは渋滞が多い街ですが、インフラはある程度整っており、生活しやすい環境が整っています。食文化はとても豊かで、屋台のローカル料理から日本食、各国のレストラン、ミシュラン店まで幅広く楽しめます。また寺院やマーケット、水上交通など、気軽に非日常を感じられる場所が近くに多くある為、週末には自然とリフレッシュできるのも魅力です。
20代という年代でタイに来れたことで、仕事だけでなく生活面でも多くの経験を得られ、日々成長できる環境だと感じています。

タイのプラスチック成形業界は、日系自動車メーカ工場が多数存在することから自動車市場のみ注目されがちです。しかし、実際には容器、医療、OA、雑貨など幅広い業種で成形が行われています。特に容器関連では、ローカル企業が活発に展開しており、当社のお客様が多くいらっしゃる点は大きな特徴になっています。
近年は人件費や電気代が上昇しており、どの企業も「品質を維持しながらのコスト最適化」が大きなテーマとなっています。特に自動車業界ではEV・ハイブリット車の技術競争が激しく、タイ国内でも成形機の自動化・省人化のニーズが年々加速しています。
その他、相互関税の影響により、中華系企業の工場進出が顕著になっています。日系企業と比較し、中華系やローカル企業はサプライチェーンが複雑で、設備投資計画のスピード感も大きく異なります。そのため、業界のスピード感についていける迅速さと柔軟な対応力が求められる環境です。
20代でこの環境に飛び込み、日系・中華系・タイローカルなど異なる文化や価値観を持つお客様と接することで、コミュニケーションの取り方やビジネスの進め方の違いを肌で学ぶ機会を得ています。若いうちから多国籍の商習慣に触れられる経験は、営業として大きな財産になっています。
一方で、タイ国内全体の景気は依然として厳しく、業界全体の勢いも過去と比べて減速しています。当社にとって、お客様のコスト削減にどう寄与できるかが今後の重要な課題です。
タイ市場において、当社成形機は豊富な販売実績と長い歴史を持ち、高い評価をいただいております。特に「安定した成形」と「迅速なアフターサービス」は、多くのお客様から信頼の基盤となっています。導入後の立ち上げ支援やトラブル対応、サービススタッフによる丁寧なサポートは、商談の中で好評をいただくことが多く、若手として非常に励みになっております。
近年は省エネや不良低減に加え、予備品、サービスパーツに関する関心が高まっています。営業・技術・サービスが一体となり、現場改善を提案することでお客様に満足いただいた事例が増えています。初期費用以上に"長く使う価値"を実感いただける場面が多く、タイ市場でも確かな存在感を築いています。
さらに、今年からは、LSR(液状シリコン)分野の拡販にも力を入れています。テクニカルセンターでの成形テストや技術紹介を通じて、「住友はLSR成形も手がけている」という認知がタイ国内で着実に広がっています。商談だけでなく、市場全体への情報発信を進めることで、新たな成形分野での存在感強化にも取り組んでいます。
私が仕事で重視しているのは、お客様にとって本当に必要な価値を一緒に考え、「人との信頼関係を丁寧に築くこと」です。タイの日本人駐在員のコミュニティはとても近く、お客様同士がつながっていることも多いため、日々の信頼構築を心がけています。営業として経験はまだ浅い部分もありますが、だからこそ現場の声を丁寧に聞き、学び続ける姿勢を忘れないよう努めています。
就職して早い段階で多様な業界や価値観に触れたことで、営業は単なる製品提案ではなく、"信頼を積み重ねる仕事"だと実感しています。今後はLSRを含む新しい分野にも積極的に取り組み、住友の強みをさらに広く知っていただけるよう挑戦を続けていきます。お客様に選ばれる存在であり続けるために、成長し続ける姿勢をこれからも大切にしていきます。
タイには美しい島が多く、週末は友人と一緒に海のきれいな離島へ出かけることが多いです。日本から訪れる同年代の友人も多いため、バンコク周辺の寺院巡りや、ルーフトップバー、カフェ巡りなど、観光と日常が混ざったような時間を楽しんでいます。
また、駐在員の間で盛んなゴルフも始め、日本より気軽に楽しめる環境のおかげで新しい趣味として定着してきました。多様な過ごし方ができるのが、タイでの生活の魅力だと感じています。

次はSDNA(Sumitomo (SHI) Demag Plastics Machinery North America)の松竹さんにご担当いただきます。松竹さんは長年SDNAに在籍され、豊富な知識と経験をお持ちです。アメリカでの業務において、ご苦労されたことや、印象的なエピソード等をぜひお聞かせいただければと思います。