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『お客様と共に』 現地社員が語るベトナムでの仕事と暮らし

連載企画「お客様と共に」の第3弾をお届けします。この記事は、記事に登場する社員が次の記事で紹介する社員を選び、リレー形式で進行していきます。3人目はベトナムを拠点に活躍する大川 祐輔(おおかわ ゆうすけ)さんです。

プロフィール

・氏名:大川 祐輔 Yusuke Okawa
・所属:SHI Plastics Machinery (Vietnam) Ltd.
・役職:Deputy General Director
・入社時期:2006年

※所属、役職は2025年9月時点の情報です

現在の仕事内容

現在、ベトナムを拠点に、プラスチック射出成形機の販売、サービス、そして成形支援を行っています。ベトナムには2つの拠点があり、ハノイに本社、ホーチミンに支社を構えています。私を含め日本人スタッフや、ナショナルスタッフが多数在籍しており、それぞれの役割を担いながら、日々お客様の課題解決に取り組んでいます。

現地の生活環境

ベトナムは地域ごとに気候が異なります。ハノイは四季があり、夏には気温が40℃を超え、湿度も95%近くになるため、外に出るだけでまるでサウナの中にいるような感覚になります。一方、冬には気温が10℃を下回ることもあり、南アジアでありながら機能性インナーが必需品となります。ホーチミンは雨季と乾季のみで、一年を通して暖かく、湿度も比較的低いため、とても過ごしやすい環境です。また、ベトナムはかつてフランスの植民地支配を受けていた歴史があり、現在でも街中にはヨーロッパを思い出させる建物が残っています。ベトナム名物のパン、バインミーも、フランスパンがルーツとなっており、食文化にもその影響が残っています。飲食店もフランス料理、ベトナム料理、日本料理など色々と楽しむことが出来ます。ここ最近では富裕層向けの高級店も増えており、高級鮨店やうなぎ専門店、高級フレンチなども登場しています。数か月に一度のご褒美として、そうしたお店で贅沢なひとときを過ごすのも楽しみのひとつです。

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現地のビジネス環境

ベトナムにおけるプラスチック成形事業ですが、ローカル企業に加え、日系・中華系・韓国系の企業が多数進出しており、グローバルな対応力が求められる環境です。自動車、OA機器、電子部品、精密機器、医療、雑貨、衣類など、多様な業種が混在しており、幅広い成形ニーズが特徴です。一方で、容器類の成形品は他の南アジア諸国と比べて少なく、コンビニでも紙パック製品が主流となっています。

サプライヤーの構造には変化が見られます。2020年以前は、日系企業の仕事は日系サプライヤーが担うケースが多かったものの、近年ではベトナム系サプライヤーが台頭しており、技術力の向上が顕著に見受けられます。市場ではコストパフォーマンスの高い製品が求められていますが、人件費や電気代の高騰が続いており、各社はコスト削減に苦慮しています。

米中貿易摩擦の影響でAppleやSAMSUNGのサプライヤーへの懸念も報じられましたが、現在では中華系・韓国系企業ともに計画通りの動きに戻りつつあります。今後もベトナムのプラスチック市場は成長が期待されており、弊社を含む業界各社は、変化の激しい市場環境に柔軟に対応すべく日々努力を重ねています。

顧客評価や商談エピソード

ベトナム市場において、住友成形機は多くの企業に導入されており、年々その稼働台数が着実に増加しています。営業によるきめ細かなフォローやブランドへの信頼もありますが、最大の理由はアフターサービスの質にあると考えています。導入時の立ち上げ支援から、故障時の迅速な対応まで、現地でも高い評価をいただいており、ベトナムではNo1と自負しております。

また近年「消費電力削減」への関心が高まっておりますが、当社では営業技術スタッフがお客様の現場に赴き、成形条件の見直し等による省エネ提案を行っています。加えて不良率の低減にも取り組み、年間を通じたコストダウンも提示しております。初期投資が高めとされる住友機ですが、長期的なランニングコストを含めたトータルでの費用感について、しっかりと説明できる体制を整えています。

仕事に対するプライドと今後の抱負

私が仕事で大切にしているのは、「お客様の声に耳を傾けること」です。シンプルで当たり前のように思えることですが、日々の業務に追われる中で、つい疎かになってしまう瞬間もあります。すべてのお客様の期待に応えることの難しさを、今の立場になって改めて実感しています。時には納期などとの兼ね合いで折衷案を提示しなければならない場面もありますが、それでも可能な限り最高のパフォーマンスを提供できるよう、日々努力を重ねています。今後も成長が続くベトナム市場において、住友成形機が目指すべき方向を明確にし、その目標に向かって着実に歩んでいきたいと思います。そのためにも、「お客様の声に耳を傾ける」という姿勢を、私自身の誇りとして持ち続けていきます。

プライベートの過ごし方

家族帯同で赴任しているため、週末は娘の習い事に付き添うことが多く、家族との時間を大切にしています。ベトナムでは意外にも習い事が充実しており、サッカーやバスケットボール、空手、チアダンス、そろばんなど、さまざまなジャンルを日本人の先生が教えてくれる環境があります。また、ベトナムは南シナ海に面しており、連休には家族でビーチリゾートへ出かけることもあります。日本ではなかなか味わえない南国の雰囲気を、フライト1時間ほどで気軽に楽しめるのは、ベトナムならではの魅力だと感じています。

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次の社員紹介は・・・

次は、SPMタイの荒川さんを指名します。荒川さんは女性駐在員で、海外トレンドなどにも詳しいかと思います。今後海外のお仕事に挑戦してみたい女性にとっても、興味深い内容を提供してくれると思います。

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