PPS(ポリフェニレンサルファイド)は、高結晶性のスーパーエンプラで、耐薬品性・自己消火性など優れた性能を持っています。しかし、成形温度が270~320ºCと高く、熱安定性が悪い上、ガスの発生も多いため、安定した成形が難しい樹脂です。さらに、GFを多く含有すると摩擦力が強まり、スクリュアセンブリ各部の摩耗を加速させます。SE-EVシリーズに標準搭載されている機能に加え、PPSパッケージ・専用スクリュアセンブリを統合的に運用することで、PPSに限らず、他のスーパーエンプラ系樹脂の安定成形を実現します。
・腐食性ガスに加えガラス繊維により、スクリュアセンブリや金型が摩耗しやすい
・高温・高圧により、スクリュアセンブリの摩耗により、可塑化が不安定となる
・ガスの発生量が多く、外観不良や転写不良が生じる。
エアベントが詰まり易く、ショートショットが生じる、金型の腐食やメンテナンスが増加する
※写真は各アプリケーションをすべて装備した機種ではありません。
PPS成形の高温と摩耗に耐える、専用スクリュアセンブリです。シリンダ材質を、PPSパッケージ用に選定しています。GFの含有量により、3点セットの仕様が変わります。
逆流防止リングがスクリュと共に回転しない構造で、GFを多く含む樹脂に対しても、加熱シリンダの摩耗を低減することができます。GFの含有量により、耐摩耐食Aまたは耐摩耐食Bを選択します(上の表参照)。
ゾーン1ヒータを高容量化することで、熱量を多く必要とするPPSの安定した計量を実現します。
高温金型のための高容量ヒータが搭載可能な専用温調接続回路を、3ゾーン分搭載しています。可動側に2ゾーン・固定側に1ゾーン配置され、各ゾーンの容量は6.0kWで、コンセントが2個ずつ付属します。
型締力を多段制御するマルチトグルの「ガス抜きモード」を使用することで、キャビティ内に流入・発生したガスを効果的に排出します。簡単設定機能により、初期条件が自動的に入力されます。
主要項目の機能のみのご紹介となります。記載以外の項目や詳しい仕様については、別途お尋ねください。
ガスによるモールドデポジットの生成や、金型部品の腐食を大きく抑えることで、金型メンテナンスの周期を3倍以上に延長することも可能です。
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