vol.4 港での荷揚げ作業を劇的に変える

大きな港の岸壁に行くと、船の貨物の荷揚げや荷卸しをするために、大型クレーンが忙しそうに働いている風景をよく見かけます。こうしたクレーンのうち、石炭、鉄鉱石などの「ばら物」と呼ばれる貨物を船から荷役する設備のことを「アンローダ」と呼んでいます。住友重機械グループは、連続式アンローダのパイオニア企業として、常にモノづくりの最前線に立っています。

高効率化・環境対策へのニーズ、国産初の連続式アンローダを開発

高効率化・環境対策へのニーズ、国産初の連続式アンローダを開発

「アンローダ」の名称は、英語のunload(荷を降ろす)に由来し、港湾でのばら物の荷役を行う設備のことを指します。石炭火力発電所で使われる燃料用石炭や、製鉄所での主原料である鉄鉱石などの荷役によく使われています。

もともとばら物荷役では、橋型クレーンや、水平引込式クレーンと呼ばれるグラブバケット付きクレーンを利用するのが一般的でした。バケット(鉄鉱石・石炭などをつかみ運ぶ容器)を用いて、船倉にある荷をつかみ陸上に揚げる動作を何度も繰り返して荷役します。

しかし、荷役取扱量の増大に伴い、短時間で大量に荷役しなければならないというニーズが発生するようになりました。荷役時間の増加は、運搬コストに直接影響するからです。また、設備自体のエネルギー効率を高めたり粉塵飛散を減らしたりするなど、環境対策も強く求められるようになりました。

「連続式」アンローダは、これらのニーズを実現するために開発されたものです。

国産1号機となる住友重機械工業(現:住友重機械搬送システム)製の連続式アンローダが開発されたのは、1976年のことです。当時は300トン/時の荷役能力でしたが、80年代には1000トン/時と進み、現在は鉄鉱石用で最大3500トン/時の能力を持つまでに至っています。

最大のポイントは、さまざまな取扱物への対応

最大のポイントは、さまざまな取扱物への対応

面掘削モード

払出量の定量化

連続式アンローダの構造は、レール上を走行する下部構造と旋回部分で「やじろべえ」のようにバランスをとる上部構造で作られています。旋回部分にはバケットを連続的にチェーンでつなげたエレベータがついており、このバケットエレベータの連続的な回転動作で荷役します。

これまでの技術開発において最大のポイントは、それぞれの取扱物の特性に応じた荷役の対策です。例えば、製鉄所では石炭より比重が重い鉄鉱石に変わることで、掘削抵抗の増大、磨耗対策などへの対策が必要となりました。社内に実機スケールのバケットエレベータのテスト機を製作し、実際に鉄鉱石の荷揚げを繰り返して、設計条件を詰めていきました。こうした鉄鉱石の荷役に伴うリスク評価を綿密に行ったことが、当社製品の対応力を高めることができた主要な要因といえます。

また、従来は油圧駆動が主流でしたが、近年のモデルはインバータ制御による電動駆動にシフトしており、旋回や走行の操作性が向上すると共にメンテナンスコストが大きく低減されています。

メンテナンス・フリー、操作の自動化へ向けた飽くなき探求

メンテナンス・フリー、操作の自動化へ向けた飽くなき探求

住友重機械グループは、連続式アンローダのパイオニア企業として、国内市場をリードしてきました。国内では、港湾クレーン設備の老朽化が進むなか、代替機としての需要が見込まれます。また、アジア地域の発電所や製鉄所のニーズにも対応していきます。

新しい技術開発の方向としては、一つにはメンテナンスコストの低減・稼働率向上を実現するための予防保全のシステム、機体保護のための過負荷防止システムがあります。また、アンローダの主要部品に監視センサーを取り付け、残存寿命を自動的に診断するシステムなども開発されています。

さらに、より効率的な荷役オペレーションを可能にするため、最初の荷役動作を記憶させて繰り返させるティーチング・プレイバック・システムもオプション装備として用意されています。こうしたさらなる機能向上や技術の追求を重ねることで、活躍の舞台をグローバルに広げていきたいと考えています。

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