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射出成形機の補助金活用、2026年行政書士法改正で何が変わる?  ― "知らなかった"では済まされない適正な補助金活用の新常識 ―

*本記事は日本国内向けに作成された内容です。

射出成形機の更新や自動化投資に補助金を活用する――。
いまや製造業にとって当たり前となったこの取り組みが、2026年から"やり方次第で違法になり得る"ことをご存知でしょうか。

2026年1月に施行された行政書士法改正により、補助金申請を巡る「支援」と「代行」の線引きは、これまで以上に厳格になりました。
善意のつもりで行ったサポートが、メーカー・販売会社、そして申請企業自身のリスクとなるケースも現実化しています。

本記事では、射出成形機をはじめとする設備投資補助金の実務に精通した「株式会社ロボプラス」様に、補助金制度の最新動向と、2026年法改正後に求められる「適正な補助金活用」の考え方を解説いただきます。

1.射出成形機に活用できる主な補助金【まず押さえたい実務ポイント】

射出成形機の導入や更新は、省エネルギー化・省人化・新事業展開といった政策テーマと親和性が高く、各種補助金の対象となるケースが多くあります。まず、代表的な制度や現在公知となっている募集情報をご紹介します。

■ 省エネ・非化石転換補助金

消費電力量やエネルギー使用量の削減を目的とした設備投資を支援する補助金です。
電動式射出成形機への更新や高効率設備への置換は対象となる可能性があり、エネルギーコスト削減とカーボンニュートラル対応を同時に進めることができます。

()設備単位型、(Ⅲ)GX設備単位型 [メーカー強化枠]
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補助率   :1/3
補助上限額 :(Ⅲ)設備単位型:1億円
       (Ⅲ)GX設備単位型[メーカー強化枠]:3億円
公募期間  :二次公募 2026年6月上旬〜7月上旬(予定)
       三次公募 未定*(Ⅲ)設備単位型の募集は無し
採択予定日 :二次公募 2026年夏頃(予定)
       三次公募 未定
事業期間  :交付決定日〜2027年1月31日(日)
       ※複数年度事業:最長2028年1月31日(日)まで
主な要件  :指定設備への更新による省エネルギー化
       補助事業対象者は中小企業等及び大企業の内、
       事業者クラス分け評価制度 S・Aクラス企業
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■ 中小企業新事業進出促進補助金(第4回)

新市場・新分野への進出を目的とした設備投資を支援する補助金です。
新規性を有する新製品向けの射出成形機の導入や、試作・量産体制構築を伴う案件で活用されるケースがあります。
従来事業とは異なる用途・顧客を想定する設備投資がポイントとなります。

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補助率   :1/2(特例:2/3)
補助上限額 :従業員数により750〜7,000万円
       ※賃上げ特例適用時:3,000〜9,000万円
公募期間  :2026年5月19日(火)〜6月19日(金)
採択発表  :2026年9月頃(予定)
事業期間  :交付決定日から14か月以内
主な要件  :新事業進出要件、付加価値額要件、賃上げ要件 等、 
       公募要領にて示す要件を3~5年の事業計画に取り組むこと。
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■ 中小企業省力化補助金

人手不足対策や省人化を目的とした補助金で、自動取出機や周辺自動化装置を含めた射出成形工程の省力化に活用されます。
生産性向上を図りたい企業にとって検討しやすい制度です。

■ ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

射出成形機を含む生産設備の更新や高度化、品質向上やサイクルタイム短縮を目的とした投資に幅広く対応しています。

2.法令遵守が企業価値を守り、持続的な補助金活用につながる

こうした補助金制度が広く活用される一方で、近年は「申請支援の在り方」そのものが大きな課題となっています。

・誰が
・どこまで
・どの立場で

申請に関与しているのかが、これまで以上に厳しく問われるようになりました。

■ 2026年 行政書士法改正のポイントと補助金実務への影響

2026年1月1日に施行された行政書士法改正では、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て官公署に提出する書類を作成する行為」は行政書士(または行政書士法人)の独占業務であることが、条文上明確化されました。コンサルティング料、成功報酬、サポート費用など、名目に関係なく実態で判断される点が重要です。

■ 補助金活用における正しい役割分担

改正後も変わらない原則は、補助金申請書は申請事業者自身が作成・決定するものという点です。
支援者が担えるのは以下の範囲に限られます。

・制度内容の説明・情報提供
・記載項目の趣旨説明
・事業計画の考え方に関する助言
・申請者が作成した書類への確認/アドバイス

申請書の文案作成や代理提出が必要な場合は、行政書士への正式な依頼が不可欠です。

■ 法令遵守は「制約」ではなく「企業価値向上」の基盤

補助金における法令遵守は、単なるリスク回避ではありません。

・申請内容の信頼性向上
・採択後の監査/実績報告への体制強化
・行政/金融機関/取引先からの信用確保

結果として中長期的な企業価値向上にもつながります。

3.インタビュー:コンサルに聞く"現場のリアル"

ここからは、グループ会社に行政書士法人を持ち、事業部内に行政書士資格者も在籍している株式会社ロボプラスにて、補助金コンサルタント業務を行う赤井様に、直近の補助金代行業務に関する「現場のリアル」を伺います。

Q1:最近の相談で一番多いものは何ですか?
赤井様:
メーカー様や販売店様から最も多く寄せられるのは、「顧客が申請書を書けないため代わりに書いてあげたいが、どこまで手伝ってよいのか」というご相談です。
「機械を売るためには申請が必要だが、顧客に任せると進まない。一方で、自分がやると法に触れる可能性がある」というジレンマから、商談が止まってしまう"目詰まり"が多発している印象です。

Q2:行政書士法人と協業できるコンサルとして、貴社の価値はどこにありますか?
赤井様:
当社は行政書士法人をグループ内に持っており、まずコンサルタントが制度の解説、戦略立案、事業計画への助言(いわゆる窓口業務)を行います。そのうえで、申請書類の作成および行政庁への提出(申請業務)は、行政書士法人が法律に基づき適正に対応します。このように役割を明確に分離することで、コンプライアンスを完全に遵守した体制で、お客様の円滑な採択を支援できる点が強みです。

Q3:補助金事業に関わる企業が、特に違法になりやすいケースは?
赤井様:
最も危険なのは、「善意での代筆」です。行政書士資格のないメーカー様や販売店様が、「お客様が困っているから」という理由で書類作成を引き取ってしまうケースです。報酬の有無に関わらず、違法となる可能性があります。

Q4:補助金事業に関わる企業は、どうすればリスクを避けられますか?
赤井様:
役割の線引きを明確にすることです。

【補助金実務における役割分担】
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補助金申請事業者:最終判断・内容決定
メーカー/販売店:制度説明・仕様情報提供まで
行政書士    :申請書類の作成・代理提出
コンサル    :事業計画の検討支援・助言
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この分担を徹底することで、法的リスクを回避できると考えています。

Q5:貴社の補助金支援の今後について教えてください
赤井様:
今回の法改正を経て、補助金支援は「採択率の高さ」だけでなく、適法性と持続可能性が重視される時代に入りました。

行政書士や行政書士法人と協業するコンサルには、

・申請者自身の理解を深める支援
・妥当性の高い事業計画づくり
・採択後の実績報告や監査にも耐えうる体制構築

といった「質の高い伴走」が求められています。制度に依存するのではなく、制度を正しく使いこなす力を企業が身につけることが重要だと考えています。当社では、コンサルティング事業と販売事業をグループ内で分業し、最適な補助金活用支援を提供しています。これまで1,974社、累計514.1億円の補助金支援実績があります。補助金活用でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。


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ディスクレーマー(免責事項)

本記事は、2026年1月施行の行政書士法改正および各種補助金制度に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の補助金申請や法的判断、個別案件への適用を保証するものではありません。

補助金制度の内容・要件・公募条件・対象設備の可否等は、公募回や事業者の状況により異なります。また、法令や制度の解釈・運用についても、関係省庁や執行団体の判断により変更される場合があります。実際の補助金申請や書類作成、法的判断を行う際には、最新の公募要領および関係法令をご確認のうえ、必要に応じて行政書士等の専門家へご相談ください。

本記事の内容を基に行われた判断や行為により生じたいかなる損害についても、当社は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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