PETボトルプリフォーム成形機「SP300」をリリースしました。機種紹介の前に、少しだけ当社のプリフォーム成形機の長年の取り組みに触れたいと思います。
当社がPETボトルプリフォーム成形機の納入を開始したのは1997年にまで遡ります。この年は、容器包装リサイクル法の施行によって分別・再商品化の仕組みが整い、小型PETボトル市場が一気に拡大し始めた転換点でもありました。当社は標準機で培った技術をPETプリフォーム成形に応用し、専用機の開発を推進。多様なサイズ・形状のPETボトル量産に挑むお客様を、技術面とサポート面の双方から支えてきました。その結果、これまでに累計出荷台数は100台を超えるまでに成長。四半世紀にわたり積み上げてきたこの実績こそが、当社の大きな強みです。
現在販売している機種は96~144個取りの金型を搭載できるスクリュプリプラ式の「SP500E」と、24~48個取りのインラインスクリュ式の「SE‑EV‑S‑HD PET仕様」の2機種です。ここに中規模生産のニーズが拡大していることを踏まえ、48~72個取りのスクリュプリプラ式を採用した「SP300」を加え、ラインナップを拡充いたしました。
1.長年の実績に裏打ちされた成形安定化技術
まず、精密成形を得意とする当社主力機種「SE-EV-S」でも採用しているダブルセンタープレスプラテンや型締力フィードバック制御などを継承しています。加えて、より生産性の高い「SP500E」と同一のPET専用スクリュや高精度電動エジェクタを採用し、PETプリフォーム成形への最適化を図っています。
・ダブルセンタープレスプラテン
従来のトグル型締では、型締力が金型の四隅に集中してしまうことで均等にかかりにくく、金型中央部にバリが発生しやすいという課題がありました。ダブルセンタープレスプラテンでは、金型の中央部に力を伝達しやすいプラテン形状とすることで面圧分布のばらつきを抑制しています。

下図をご覧ください。こちらは、感圧紙を使って、型を閉じた際の面圧がどのようにかかっているかを測定した結果です。圧力が高くかかっているところは赤色、低いところは青色、加重が無いところは白色になります。左側の「従来のプラテン」は中央部の面圧が低く色が白くなっている一方、右側の「ダブルセンタープレスプラテン」では、面圧が均一にかかっていることがご確認いただけると思います。

※12個取り容器金型を感圧紙で測定。
・型締力フィードバック制御
量産を進めていくと、下図のように金型の温度が上がり、熱膨張の影響を受けて実際の型締力が高くなってしまいます。これはショートショットやガス焼けを発生させる要因になります。
【実型締力の推移モデル】

当社の多くの成形機は、タイバーに型締力センサを設置し、実型締力を常に検出しています。検出値を元に型厚を自動補正し、あらかじめ設定した型締力を維持することができます。
【型締力フィードバック制御のシステム構成】 
ここからは、PETボトルプリフォーム成形に最適化した技術を2つご紹介します。
・PET専用スクリュ
このスクリュは、PET成形に求められるハイサイクルと混練不良の課題を解決するために開発したスクリュです。低せん断のスクリュ形状により、安定した流量の樹脂を確保しながら、均一に溶融できるようにミキシングやサブフライトを搭載した設計となっております。昨今必要性が高まっているリサイクルPET樹脂でもバージン材と近い条件で成形することができます。
・高精度電動エジェクタ
安定した突出動作を確保するために、高耐久性ボールねじを採用したエジェクタです。高い繰り返し精度となめらかな動作により、ハイサイクルでも成形品を取出機へスムーズに受け渡すことができます。
これらの技術により、大量生産が求められる現場でもハイサイクルかつ安定した成形を持続することができます。
2.省エネ効果を高める電動化
当機種は、油圧と電動駆動のハイブリッド構成を採用していますが、従来のハイブリッド機と比較し省エネ効果が見込めます。型締装置は、必要な動作だけにエネルギーを使う電動方式です。射出装置は、従来機のようにポンプを常時駆動させるのではなく、サーボモータ駆動ポンプでアキュムレータへの蓄圧を必要なタイミングだけ行う制御とし、効率的な運転を実現しています。油圧機やハイブリッド機でのサーボモータ駆動ポンプ方式の採用はSP300が初めてで、省エネをけん引する中核技術の一つとなっています。
3.日本製でのシステム一括提案
金型は、当社千葉工場で製造する専用金型を用意しています。また取出機は、株式会社スター精機と共同開発しており、すべて日本製でのシステムを一括で提案することが可能です。
・PET樹脂に最適化した専用金型「SP-Evoシリーズ」
PETプリフォーム成形における"長期安定稼働"と"ハイサイクル化"を両立するために最適化した専用金型です。PET樹脂特有の課題である、局所的な高温化に起因する炭化リスクや重量ばらつきを抑制するため、ホットランナのマニホールド温度制御点数を増加。温度の均一化を実現しました。条件設定幅の拡大にもつながり、多品種生産にも柔軟に対応できます。さらに、薄肉・ハイサイクル成形に向け、冷却回路には螺旋構造を採用し、解析に基づく流路設計により冷却効率を大幅に改善しています。加えて、新造の度に金型全体の構造レビューを行い、メンテナンス性の向上を進め、長期連続運転の現場での扱いやすさも追求しています。
・株式会社スター精機と共同開発した専用取出機「PZ-2200」
水冷テイクオフプレートおよびプリフォーム内部冷却機能を搭載した専用取出機を用意しています。一般の成形では、金型内で成形品を冷やし固めてから取り出しますが、この機構を用いることで、高温状態のまま成形品を取り出し、取出機内で冷却することができるため、成形サイクルの短縮を実現します。
4.導入後も安心。日本全国で迅速にサポート。
すべて日本製の設備ですので、導入後も迅速なサポートをご提供することができます。メンテナンスや補修部品供給のリードタイムは元より、サービス拠点も日本全国13か所にあり、お客様の身近な場所からサービス員が駆け付けます。成形課題に関するご相談にも豊富な知見を持つ技術者が対応いたします。導入後の末永い稼働を想定し、長年の実績に裏打ちされた当社をお選びいただけたらと思います。
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本件に関する窓口:営業戦略部 IB・PET営業グループ