連載企画「お客様と共に」の第5弾をお届けします。この記事は、記事に登場する社員が次の記事で紹介する社員を選び、リレー形式で進行していきます。5人目はアメリカを拠点に活躍する松竹 由賢(まつたけ よしたか)さんです。
・氏名:松竹 由賢 Yoshitaka Matsutake
・所属:Sumitomo (SHI) Demag Plastics Machinery North America, Inc. ※略称:SDNA
・役職:Engineering Manager
・入社時期:2011年
※所属、役職は2026年5月時点の情報です
北米拠点の技術責任者として、日本やドイツの工場、米国内の営業やサービス部門、さらには現地部品メーカーと連携し、納入仕様の検討やカスタマイズの計画・立上げ支援・不具合解析などをおこなっています。現地に根差した技術対応を通じて、お客様の立上げを確実にし、安心して量産へ移行いただける状態づくりに取り組んでいます。
私が住んでいるジョージア州スワニー市は落ち着いた住宅地が広がる、家族で暮らしやすい環境です。車社会で通勤時間帯は渋滞するものの、道路網が整っており、日常の移動は比較的計画しやすいと感じています。食の面では多国籍な食材が豊富で、日本食に加え私が好きな韓国系の食材店も多く、キムチや惣菜、精肉・野菜などが手に入りやすいのも魅力です。外食もBBQやメキシカン、アジア系まで幅広く選べますが、やっぱりアメリカのハンバーガーは旨いです。週末には近所の公園やトレイルで体を動かしたり、同僚や友人とゴルフを楽しんだりしてリフレッシュしています。ゴルフは時には一人予約でプレーするなど、集中してラウンドすることもあります。最近はテニスも始め、ゆくゆくは大会出場も視野に入れ練習をしています。長期休暇はフロリダ州やジョージア州の海に行き、海水浴や釣りを満喫しています。


北米市場はAIデータセンターやEVといった先端分野において、大型投資がスピード感をもって決定・実行されます。加えて人口規模の大きさを背景に、自動車・医療・容器・家電・インフラなど裾野の広い産業基盤を有しており、当社にとっては事業機会の大きい市場と捉えています。一方で、関税などの制度変更により市場環境が不安定になると、当社のお客様やそのクライアント様の投資判断が揺れやすくなる傾向があります。その結果、当社としては、駆け込み需要による受注増加と、反対に投資判断の様子見による納期調整で受注が不安定になることがあります。さらに、政策金利の動向次第では、お客様の設備投資判断が一層慎重になり、当社の受注計画の見通しが立てにくくなるリスクも想定されます。
このような変化が激しい環境下で、お客様は自身のクライアント様からの受注機会を確実に捉えるため、短納期での対応を重視される傾向にあり、当社に対しても迅速な供給体制が求められています。また設備稼働率向上を目的に、ダウンタイム削減、予防保全、稼働・品質データ活用に対する要求も高まっている他、労働力不足や、コスト圧力を背景に、省人化・自動化への関心も強まっており、成形機メーカは成形機自体の提供にとどまらず、導入後の運用まで見据えた総合的な提案が求められます。
SDNAへ赴任して以降、私はお客様のニーズを把握するべく、米系企業を中心に積極的に現場訪問を行うことを心がけています。米系企業のお客様は「この仕様が欲しい」「この条件で成形したい」と狙いが明確であるという特徴があり、私たちも個別条件に応じた的確な提案が求められる場面が多くあります。
引合をいただいた際に、私自身がなにより意識しているのはお客様のニーズに合わせて、次に必要となる情報を先回りして提示することです。お客様ごとに異なる安全仕様、インターフェース、周辺機器、現場の運用条件などを早い段階で整理し、関係部門と協議のうえ仕様・カスタマイズ提案の方向性を固めます。こうした取り組みの積み重ねにより、「営業やサービスの対応が良い」といったお声をいただく機会が増えてきました。いただいた評価は都度チーム内で共有し、現場メンバーの大きなモチベーションにもつながっています。
現状に甘んじることなく、北米のお客様にとって最も頼れるパートナーであり続けるために、これからも部門連係の更なる強化により、提案の「質」と「スピード」を共に向上させて参ります。
顧客の現場を訪問する際には、当社機に対するフィードバックを積極的に伺っています。大変ありがたいことにお客様からは「成形条件の立ち上げがシンプルで扱いやすい」「耐久性が高く、安心して使い続けられる」「レベル出し・条件出しから立ち上がりまでが早く、納品から量産への移行がスムーズで安定している」といった評価を数多くいただいています。米国でここまで当社機が信頼されていることを現場で実感できるのは、日本にいた頃には想像していなかったことであり、現地で働く者として大きな誇りにつながっています。
最後に、私が所属するSDNAの拠点およびサポート体制をご紹介します。SDNAは現在、アトランタおよびシカゴに主要拠点を構えるほか、パートナー企業と連携し、カリフォルニア州およびコネチカット州にもTraining・Demo Centerを展開し、北米全域をカバーするサポート網を構築しています。
こうした体制は、1980年の現地法人設立を起点に段階的に強化してきました。その一つが2008年に実現したVan Dorn Demagとの統合です。同社は米国で長い歴史を持ち、確固たる地位を築いてきた射出成形機メーカーであり、その事業基盤も当社に取り込まれています。当社には旧Van Dorn Demag出身の技術者・サービス人材も多く在籍しており、北米市場に根ざした現場対応力と顧客理解の深さが大きな強みとなっています。
このような背景のもと、初めて住友機をご購入いただくお客様にも安心してご使用いただけるように実機を用いた実践的な環境を整えています。あわせて、操作トレーニングやメンテナンストレーニングを提供し、導入後の立ち上げまで一貫して支援できる体制を確保しています。さらに、実際の金型をご持参いただいてのトライアルにも対応するなど、お客様の現場に即した支援を徹底している点も大きな強みです。
米国への進出や現地でのサポートにお困りの際は、ぜひお声がけください。
5回にわたり現地法人の駐在員の方々にお話を伺って参りました。次回よりナショナルスタッフへの取材内容をお届けします。引き続きご覧いただければ幸いです。