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成形と塗装の融合、『IMPe​ TECH DAY』で国内4社連携による型内塗装技術を初披露

2025年8月26日・27日の2日間、株式会社岐阜多田精機様の山県工場にて、「IMPe TECH DAY」を岐阜多田精機様、丸加化工機様と共同開催しました。
型内塗装とは、塗料の注入機を用い、成形された製品に対して、金型内で塗装を施す技術です。
専用の塗装ブースで行う現在の塗装方法は、部品の洗浄を行い、その後塗装工程と乾燥工程を複数回行う必要があり、タクトタイムの長さ、揮発性有害物質(VOC)の排出、人件費がかかるなどの課題があります。
今回、岐阜多田精機様の金型、丸加化工機様の塗料注入機、当社の二材成形機を組み合わせた型内塗装システム「IMPe」=In-Mold Plus ecoを実演展示し、工程及びタクトタイムの短縮、省エネ、省人化が実現できることをご紹介しました。また塗料は、型内塗装用塗料に高い実績のある武蔵塗料様にご協賛いただき、国内メーカー4社の連携により、日本メーカーならではの高い外観品質を持った成形品サンプルをご覧いただきました。

各社による講演内容

株式会社岐阜多田精機様

冒頭、株式会社岐阜多田精機 栗原様より「IMPe 」の特徴やメリット、実用例、今後の展望についてお話いただきました。
また岐阜多田精機様の持つ金型技術もお話いただき、今後は光学特性を活かしたタッチセンサーなどの電子部品のインサート成形、通常では難しい全周面裏塗装金型の開発を行っていくとのことです。

丸加化工機株式会社様

丸加化工機株式会社様は、ポリウレタン注入機を開発・製造しているメーカーです。今回、同社より「IMPe」用ポリウレタン高圧注入機『MEG-ACMA-C3型』についてご説明いただきました。 本機は、主剤のポリオールと硬化剤のイソシアネート、そして第3成分として塗料成分を混合させる、「IMPe」用に開発された3成分注入機です。少量吐出での3成分混合を可能とし、現在の塗装工法では困難な形状においても、ポリウレタンを使用することで意匠性に優れた美しい製品に仕上げることができるとのことでした。

住友重機械工業株式会社

そして当社の北村、井森からは、二材成形機で型内塗装を行うメリットについてご紹介いたしました。
二材成形機は異なる2種類の樹脂材料や色を1つの製品に一体成形できることが特長ですが、今回は樹脂成形をした後、金型を反転させ、型内で塗料注入が行えるようにしており、従来の成形・塗装工程に比べ、タクトタイムを大幅に短縮できることをご説明しました。

武蔵塗料株式会社様

武蔵塗料株式会社様は、今回「IMPeを使った成形実演に使用した塗料の提供にご協力をいただきました。
武蔵塗料株式会社様は、型内塗装用塗料についてドイツルール社とアライアンスを締結しており、日本市場における型内塗装用塗料の普及に向けてオリジナルであるルール社品の販売、そしてお客様の要望に応じた塗料のカスタマイズとカラー化を行なっているとのことでした。

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実機デモの様子

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実機デモの様子

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二材成形機の全体像

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型内塗装サンプル(円盤)
左:ピアノブラック 右:ゴージャスゴールド

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注入機インターフェイスと塗料タンク

ご来場者様からの声

2日間にわたる内覧会は、延べ80名以上の方々にご来場いただき、連日多くの熱気に包まれ、大変盛況となりました。ご参加の皆様からは、「型内塗装の可能性を感じた」「さらに詳細な説明を聞きたい」「塗装工程簡略化はかなりメリットがある」「実機デモでの仕上がりに驚いた」「今後の製品開発や工程改善に向けて、今回の技術がどのように活用できるかを検討したい」などといった前向きなご感想が寄せられ、関心の高さを実感しました。

また同日プレスリリースも行い、複数のメディア関係者にもご参加いただき、各社の記事に取り上げていただきました。
住重、射出成型形の塗装工程短縮 運用コスト大幅減 | 日刊工業新聞 電子版
住重など、射出成形機の型内塗装成形システム開発 | 化学工業日報 電子版
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<参考>当社プレスリリース
岐阜多田精機・丸加化工機・住友重機械による型内塗装成形システムの共同開発 | 住友重機械工業株式会社

※販売時期については現在未定となっております。

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