お知らせ 2004年度
お知らせ
世界初、PET用放射性薬剤自動投与装置を販売開始

2004年07月09日

住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、PET用「放射性薬剤投与器M130」の販売を開始します。

当社は、PET用放射性薬剤自動投与装置の開発を進めてきましたが、この度厚生労働省より医療用具として製造承認を取得し、愛媛県から製造許可も取得しました。PET検査用放射性薬剤を自動的に投与できる装置として医療用具承認を受けたのは世界で当社製品が初めてであり、今後FDG-PET検査の臨床適用時に必須の装置として積極的に販売を行っていきます。

FDGによるポジトロン断層撮影(PET)は2002年4月からの国民健康保険の適用を契機として、民間病院で相次いで設備導入が始まっています。従来の大学病院などの研究から臨床医療に中心が移っていくのに伴い被検者の人数が増大し、PET従事者の被曝管理がPETを普及させる上で重要なテーマとなっています。当社は放射性薬剤(FDG)合成後に行う検定時の被曝を低減する自動品質管理装置を既に開発・販売していますが、被検者に放射性薬剤(FDG)を投与する際の医師などの被曝についても低減することを狙い、一早く自動投与器の開発を進めてきました。

従来の放射性薬剤投与は、薬剤合成および検定後、被検者毎に注射器に分注し、行っていましたが、本装置では検定後一定量(最大18.5GBq)の放射性薬剤をセットすれば連続的に自動投与が可能となるため、医師やホットラボ室従事者の被曝低減が可能になると同時にホットラボ室従事者の労働負荷軽減にもなります。   


■特長
・ あらかじめ設定された放射能量・容量を繰り返し投与することができます。
・ 1投与毎の注射器分注が不要であるため、分注作業による被曝を低減することができます。
・ 投与時における投与者(医師)の被曝量を低減することができます。
・ 自動繰り返し投与が可能です。


■仕様
寸法      : 900W×640D×900H
最大原液放射能量: 18,500MBq
最大原液放射能濃度: 1,500MBq/mL
放射能量分注範囲 : 100~740MBq
投 与 速 度 範 囲 : 0.08~1mL/sec
投 与 液 量 範 囲 : 15~28mL
投 与 速 度 精 度 : ±5%
放射能濃度測定精度: ±10%
放射能量測定精度 : ±10%
分注・投与精度(放射能量): ±10%
放射性薬剤分注精度(容量): ±5%

定  格:AC100V 1.5A 50/60Hz


■標準本体価格
 3,000万円(税抜き)

■販売時期
 2004年7月

■販売目標
 初年度30台、次年度以降20台

■医療用具製造承認番号
 21600BZZ00258000

PET診断の流れ

■用語説明
1) PET(ペット)=Positron Emission Tomography、ポジトロン断層撮影法
X線CTと同様に、心臓や脳などの働きを断層画像としてとらえ、病気の原因や病状を的確に診断する最新の検査法です。この検査では、ポジトロン(※)を放出する放射性薬剤(FDGなど)を体内に注入し、薬剤が体の中を移動していく様子をPET装置で撮影します。特にFDGを使った検査(FDG-PET)はがんの診断において評価が高く、これまでCTやMRIでは困難だった直径1cm未満の小さながんが見つかったり、腫瘍の良悪性の判断やがんの広がり具合(ステージ診断)などが把握できることから、的確な診断をもとに、より適切な治療を受けられるようになります。

※ポジトロンとは
陽電子のこと。通常「電子」は負の電荷を持っていますが、ポジトロンは正の電荷を持っています。互いに逆の電荷を持つため、ポジトロンはすぐに電子と結合します。この結合の瞬間にポジトロンも電子も消滅してしまいますが、この時2本の放射線を正反対の方向へ放出します。この放射線を前述のPET装置で撮影することによって、体の中のポジトロンの様子を画像にします。

2)FDG=フルオロデオキシグルコース
ぶどう糖代謝を測ることによって腫瘍の診断に用いる化合物。悪性腫瘍の場合はFDGが患部に多く取り込まれるので、早期にその有無の判断ができます。これらの薬剤は超小型サイクロトロンおよびFDG自動合成装置を使用して造られますが、当社はこの両装置の製造・販売も手掛けております。

3)医療用具
薬事法で言う「医療用具」とは、「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている器具器械であって、政令で定めるもの」をいいます。
「医療用具」には、装置ごとに審査/承認の必要な医療用具と、審査の必要のない医療用具とがあり、今回、製造承認を受けた当社の「放射性薬剤投与器M130」は、厚生労働大臣の製造承認が必要な医療用具に該当します。

製造承認と製造許可について
厚生労働大臣による製造承認は、装置自体が医療用具として適切であるかどうかをみるもので、各都道府県知事による製造許可は、その装置を製造するに際して、品質の確保など適切な造り方がされているかどうかを審査するものです。(医療用具として製造・販売するためには、まず製造承認を受け、更に製造許可を得る必要があります。)


4)Bq(ベクレル)
放射性物質の放射能を表す単位。放射性物質中の原子核が1秒間当たりに1個変身する数を、1Bqと定義しています。
1000Bqを1kBq(キロベクレル)、100万Bqを1MBq(メガベクレル)、10億Bqを1GBq(ギガベクレル)と表します。

5)ホットラボ室
薬剤を合成、検定、そして注射器への分注をするための専用室

放射性薬剤投与器M130