-273℃という極低温の世界で
超高真空というクリーンな環境を生み出し、
半導体の製造プロセスを支える。
半導体の製造プロセスに欠かすことのできないクリーンな環境を生み出す装置がクライオポンプ(超高真空ポンプ)です。容器内のパネルを絶対零度(-273℃)近くまで冷却し、気体の分子を凝縮・吸着させることによって排出し、超高真空の空間をつくるというのがその原理。私は、この半導体装置向けクライオポンプの開発・設計を担当しています。
クライオポンプは、お客様ごとに求められる仕様が多様な製品。新しいお客様向けのカスタマイズ、既存お客様の要求に対応した設計変更など、仕事的には開発と設計が半々くらいの感覚ですね。また、構成されるユニットが比較的少ない製品なので、一人のエンジニアに任される範囲が広いです。それでいて、超高真空や極低温という極限の世界のため、原理面までの深い知識が必要。私は学生時代、物理学専攻だったのですが、その知識が大いに役立っています。

ある1か月のスケジュール
1~4日 設計業務5日 国内日帰り出張 お客様先で打ち合わせ
8~12日 新製品開発のシミュレーション、評価データのとりまとめ
15~17日 海外出張 お客様先で打ち合わせ
18~19日 事業部の業務(特許関係のとりまとめなど)
22日 新製品開発プロジェクトのミーティング
23~26日 既存お客様の要求に応じた設計変更
29~30日 設計業務
任される範囲が幅広く、お客様の声を
生で聞くことができるのもこの仕事の大きな魅力。
海外出張にいく機会も多いですね。
上司と私、若手の後輩という3人でチームを組んで仕事を進めています。上司が主に電気系、私が機械系、後輩が全般をサポートするというのが基本的なフォーメーションです。
振り返って貴重な経験だったなと思うのは入社2年目のこと。ある事情が重なって、チームで担当している業務を私一人ですべて対応しなければならない時期がありました。いま思うと足りないことだらけだったような気もしますが、それでも自分なりに懸命に取り組み、それをまわりの先輩たちがサポートしてくれて、大きく成長できたと思います。また、必然的に社内外のさまざまな技術者とのネットワークを築くことになり、その人脈が現在も活きています。
任される範囲が広いこともあり、住友重機械ではエンジニアが直接お客様と打ち合わせをする機会も多いです。私は、このお客様の声を生で聞くことのできる環境も大きな魅力だと感じています。最近、半導体業界の主流は韓国や台湾、アメリカ。したがって、海外出張も多いですね。
次世代のクライオポンプの開発に取り組む。
目指すはもちろん世界トップの性能。
この領域でシェアNo.1の製品を育ててみたい。
現在、次世代のクライオポンプの開発に取り組んでいます。狙っているのは、当然、世界トップの性能。さらには最近注目が集まる省エネ性能、リードタイムの短縮などでも卓越した製品を目指しています。
クライオポンプでは北米に強力なメーカーがいて、当社は追いつけ追い越せというポジション。現在開発中の新製品を、ゆくゆくはこの分野でNo.1のクライオポンプに育ててみたいと思っています。それが達成できたら後輩たちに引き渡して、またゼロから新しい分野を開拓するのも面白そうと感じています。お客様の生の声を活かして、クライオポンプの世界で新しいものづくりにチャレンジしてみたいですね。
