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技術系社員

産業を支えるコークス炉の移動機械。過酷な環境だからこそ、エンジニアの閃きが求められる。

王 鑫  Xin Wang 住友重機械プロセス機器株式会社 エンジニアリング部 システム制御グループ 2015年入社 システムデザイン研究科 システムデザイン専攻 修了

この分野における
世界でも数少ないメーカーであり、
日本でトップシェアを誇る。

製鉄のプロセスの中でも上流に位置するのがコークス炉。石炭を蒸し焼きにして高炉で使用するコークスを製造する設備です。私は、コークス炉の移動機械の電気設計に携わっています。
この移動機械は、炉に石炭を入れる「装炭車」、蒸し上がったコークスを炉から押し出す「押出機」、コークスを搬出する台車と炉の間をガイドする「ガイド車」などで構成されています。
コークス炉は幅約0.45mの炭化室と燃焼室が交互に並び、大きなものでは長さ200mにも及ぶ巨大な装置。これらの炉で連続的にコークスを製造していきます。その製造を支える移動機械には複雑かつ精緻な制御が求められます。炉内の温度は約1200℃にも達し、粉塵が多いなど過酷な環境も設計を難しくする要因。一般的になかなか知る機会が少ないと思いますが、日本の産業を支える重要な役割を担っている機械なのです。当社は、この分野における世界でも数少ないメーカーの一つであり、日本ではトップシェアを誇っています。
私は、就職活動のため、西条工場に来た際、この移動機械を目の当たりし、スケールの大きさ、装置としての複雑さに感銘を受け、「ぜひ、この機械にチャレンジしたい!」と思い、自分から現在の仕事を希望しました。

ある1週間のスケジュール

月曜日 グループや関連部署のエンジニアとの打ち合わせ

火曜日 設計図面、仕様書の作成、チェック

水曜日 部品メーカーとの打ち合わせ、見積、納入仕様図書の確認

木曜日 出張。お客様との打ち合わせ、現地調査

金曜日 出張。工事の確認、試運転の対応など

自分が設計した機械が
動き始めた瞬間は、
たまらないほど嬉しい。

例えば、「押出機」では、蒸し上がったコークスを押し出すばかりでなく、炉の扉や側面、底部に溜まった不純物などを毎回取り除かなければなりません。製鉄所では省人化が重要な課題となっており、このような複雑な機能を自動化していくことが移動機械にとって大きな開発テーマ。電気系エンジニアが取り組むべきテーマは数多くあります。
炉内の状態をカメラで観察したり、炉壁温度を測定したりして収集したデータを、フィードバックしてインバータ制御する操業のスマート化も進めています。また、IoTの応用もこれからチャレンジすべきテーマです。
これら移動機械は、炉の形状やお客様の考え方などに合わせて一つひとつ最適に設計していかなければなりません。装着する周辺部品も多様で、時には十数社のサプライヤーとやりとりを行います。電気系の設計ばかりでなく、このような部品の調達から工事の管理、試運転まで関わる範囲が幅広いことも移動機械の設計の難しさ。それだけにやりがいも大きいです。現場で試運転に立ち合い、自分が設計した機械が問題無く動き始めた瞬間は、たまらないほど嬉しいですね。

過去の常識にとらわれることなく
新しい価値を探究し、
自分なりのチャレンジを続けていく。

実際の設計では、同じ製品の過去の設計図面を参考にして進めています。しかし、単に真似をするのではなく、なぜ先輩のエンジニアたちがそのような設計を採用したのか、あるいは、さらに高効率で信頼性の高い機械にするためにはどんな改善が必要なのかを探究して、常に自分なりの価値を付加するように心がけています。
私は大学まで中国で過ごし、自分の殻を破る挑戦がしたくて日本の大学院に進学し住友重機械に入社しました。真摯で、そしてチャレンジングである当社の雰囲気が自分にぴったりだと感じたのです。
一日でも早く一人前といわれるようなエンジニアになることが第一の目標です。そして将来は、この分野のトップランナーとして日本で培った技術を活かして、中国の製鉄所にも自分でつくった機械を納入してみたい。仲間から信頼され、変革を引き起こしていくエンジニアを目指してチャレンジを続けていきます。

PROFILE

学部時代の専攻は機械工学。違う分野で自分の可能性を試してみたいと思い、来日して大学院で知能機械工学を学んだ。入社の決め手は、面接など出会った社員たちの人柄。「心からやさしい人たちだと感じました」。現在は、奥さんと西条で暮らす。散歩やサイクリング、潮干狩りなど休日の楽しみは多彩。料理も得意なのだそうだ。