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「はやぶさ2」プロジェクトの小惑星サンプル採取に貢献

2020年12月23日

2020年12月6日、小惑星探査機「はやぶさ2」の再突入カプセルが地球に帰還しました。その後の分析により、再突入カプセル内のサンプルコンテナ(密閉容器)から採取したガスが小惑星リュウグウ由来であることが判明しました。また、サンプルコンテナ内のサンプルキャッチャー(サンプル収納容器)に入っていた砂粒状の物質がリュウグウのものであることが確認されました。持ち帰ったサンプルは有機物や水を含むと考えられており、これを分析することで生命の起源の解明につながると期待されています。

当社は、NECのもとでサンプルコンテナ、サンプルキャッチャーを含むサンプル採取装置を開発しました。小惑星イトカワから表面物質を採取した「はやぶさ」でもサンプル採取装置を製作した実績から、今回の「はやぶさ2」ではサンプルをより多く確実に採取するため、また揮発性物質も採取できるよう、様々な改良を加えました。このほか当社はプロジェクタ(小惑星表面に弾丸を打ち込む装置)の発射筒を製作しました。「はやぶさ2」では国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)とともに開発を行い、サンプル収量が増えるよう発射筒を改良しました。サンプル採取装置の開発は多くの宇宙機器を納入した実績のある産業機器事業部が担い、プロジェクタには装備システム事業部の技術が活かされています。当社の技術を結集し、科学的に極めて貴重な地球外物質の採取に貢献することができました。

当社は今後も宇宙開発に役立つ製品を提供して参りますとともに、極限への挑戦を続けることで、科学の発展に貢献していきます。

小惑星リュウグウのサンプルが入った「サンプルキャッチャー」<画像提供:JAXA>
「プロジェクタ」のフライトスペア(フライトモデルと同時期に製作した予備品)<画像提供:JAXA>