お知らせ

陽子線治療システムの特許取得に関するお知らせ

2013年10月17日

住友重機械工業株式会社(社長 別川 俊介)は陽子線治療システムの回転ガントリーに搭載される照射装置に関して、日本において特許を取得しました。陽子線治療の照射野形成方法にはワブラー法とスキャニング法があります。前者は均一に広げた陽子線をボーラスやコリメータと呼ばれる治具を使用して腫瘍の形状に合わせて陽子線を照射します。後者は細く絞った陽子線を腫瘍形状に合わせて走査させて照射する方法です。今回取得した特許(特許番号:05107113)はワブラー法とスキャニング法をひとつの照射装置で両方の機能を切り替えて使用できるようにしたものです。ワブラー法を用いる場合はスキャニング法に関する機器を自動制御により退避させ陽子線を照射します。また逆にスキャニング法を用いる場合にはワブラー法に関する機器を自動制御により退避させます。これにより様々な腫瘍に対して効率よく効果的な治療を患者さまに提供できます。



図-1 マルチパーパス(MP)ノズル 

マルチパーパス(MP)ノズル

また、このたび上下配置式の陽子線治療システム(図-2)に見られる階層構造型の粒子線治療システムに関する日本での特許出願が特許査定となりました。世界初の上下配置式の陽子線治療システムは2010年社会医療法人財団慈泉会相澤病院殿より初号機を受注し、2014年の治療開始に向けて最終調整段階にあります。今後、設置スペースの狭い都市圏などで有効的に粒子線治療を行うことが可能になります。

階層構造型は粒子線発生装置となる加速器が設けられた加速器室と、治療を行う照射装置が設けられたガントリー室が上下に配置されることが特長となります。今回の特許取得により、当社は今後も、がんの診断から治療まで総合的な最先端技術の普及に、世界に先駆けて貢献してまいります。



図-2 階層構造(社会医療法人財団慈泉会相澤病院殿)

階層構造(社会医療法人財団慈泉会相澤病院殿)