お知らせ

バイオマス焚き小型CFBボイラを開発

2011年07月05日

 住友重機械工業株式会社(社長 中村 吉伸)は、蒸気発生量25t/時間(発電規模:5,000kW)の小型循環流動層(CFB)ボイラを開発しました。主要部分の設計仕様を標準化するなどにより納期を大幅に短縮し、ご発注から14ヶ月以内には稼動することが可能です。
 構造は、産業用自家発電向けを中心として納入実績のある住友-フォスターウイラ型CFBボイラの特徴をそのままに、木質系バイオマス(未利用間伐材、建設廃材など)燃焼、石炭燃焼、或いは石炭との混合燃焼にも適応できるボイラで、エネルギー資源の有効活用、CO2排出削減に貢献します。


■本製品の特長


1)小規模発電
 従来は、一定規模以上の電力を使用する中・大型工場向け自家発電設備(蒸気発生量 65 ~ 450t/時間、発電規模:15,000 ~ 70,000kW)が対象でしたが、より小規模のボイラ発電設備を計画されるユーザーの要望を反映し、さらなる小規模発電設備(蒸気発生量25t/時間、発電規模5,000kW)を開発しました。これまで、バイオマス発電を導入したくても規模過大であきらめていた事業者でも導入が可能です。

2)短納期
 注後直ちに製作開始できる様、主要部分の詳細設計を完了させています。また、ボイラ設備部をモジュール構造化して工場内で製作、建設現場での溶接作業を極力削減しました。その結果、設計工程と現場工事が短縮され、発注から14ヶ月後には稼動でき、さらに条件が揃えば12ヶ月間での稼動を目指します。同時に、工程短縮により建設費の低減にもつながります。


■対象市場と今後の展望


 本製品での木質系バイオマス燃料の年間消費量は5.5万tから6万tです。既に自家発電設備を保有し、将来バイオマス燃料への転換を検討中の企業や、有効利用されていない間伐材などの山林未利用材を活用し『再生可能エネルギー全量買取制度』を視野に入れた国内電力供給事業者、およびASEAN向けに提案営業を強化していきます。また、短納期のメリットを活かし、東日本大震災の廃棄物処理にも貢献できるものと考えています。


■実績

 
 当社は、2004年11月にサミット明星パワー㈱殿(新潟県糸魚川市)に納入した国内初の大型木質系バイオマス-石炭混焼CFBボイラ(発電規模50,000kW)を皮切りに本格的に木質系バイオマス焚きボイラに進出しました。 最近では2011年2月に川崎バイオマス発電株式会社殿(神奈川県川崎市)に木質系バイオマス燃料100%焚きCFBボイラ(発電規模:33,000kW)を納入するなど、稼動中/設計中の設備を含め国内外の実績は21箇所です。その中で本小型CFBボイラは、木質系バイオマスによる国内発電事業者と、自家発電設備所有の国内某企業の2社より、既に受注をしています。


■展示会のご案内


 本製品について、以下の展示会で紹介する予定です。
 1)ASEAN+3 バイオマスエネルギーフォーラム
   2011年7月12,13日開催 会場:幕張メッセ会議棟
 2)バイオマスエキスポ2011
   2011年10月20,21日開催 会場:東京ビックサイト