お知らせ

中部国際空港にユニバーサルデザイン採用のベルト式動く歩道を納入

2005年02月09日

住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、中部国際空港「セントレア」の旅客タ-ミナルビル内に、ユニバーサルデザイン・コンセプトに適応した、ベルト式動く歩道「スターグライド」を35基納入しました。

「セントレア」は名古屋市の近郊、常滑市の沖合に開設される海上空港で、2月17日のオープンを控え、注目されている施設です。その特徴のひとつがユニバーサルデザイン。「誰にも使い易い空港」を目指して、快適な歩行や、鉄道駅との連携を円滑にする、などの理念が盛り込まれています。実際に鉄道駅の改札から出発・到着ロビーまでの間は、階段やエスカレータを利用しなくても行き来ができる構造です。

このユニバ-サルデザインのコンセプトにもとづき開発された、当社のベルト式動く歩道「スターグライド」は、旅客タ-ミナルビル内の出発階および到着階の制限エリア内全ての動く歩道に採用されています。ユニバーサルデザインに適応した「スターグライド」の特徴は以下の点です。

1)乗り降り段差ゼロのフルフラット構造(次項図参照)
乗り降り口のコム(くしば)とベルト踏み面の間の段差をゼロにした、当社独自のフラット・コム機構を採用し、フルフラットを実現しています。段差がないので、車椅子、旅行トランク、カートなど車輪のついたものの乗り降りや、人の乗り降りがスムーズになり、安全性が一段と高まったものになりました。

2)利便性を優先した連続配置を実現(エキスパンション・ジョイント対応機構)
地震対策などで建物に継ぎ目(エキスパンション・ジョイント)がある場合、パレット式の動く歩道では連続して設置することができず、継ぎ目での乗り降りが必要でした。セントレアでは8ヶ所でジョイントをまたぐ構造が採用され、利便性を優先した連続配置を実現しています。

3)歩道幅1m40cm
ベルト式では日本初となる、1600形と呼ばれる歩道幅が1m40cmの幅広タイプ(通常は歩道幅1m)が採用されました。車椅子で乗っても隣を人が通れる十分な広さが確保できます。
その他の特徴として、ベルト式はパレット式に比べ、装置の床下深さを約6割にすることができます。薄型構造にすることで、2階、3階などに設置する場合に建物全体の高さを抑える一方で、室内空間をより大きく確保でき、セントレアにも活かされています。その他に、既設の建築物でも床置き設置が可能となります。


■納入製品概要
 形  式:1600形 ベルト有効幅1m40cm
 輸送能力:9,000人/時間
 基  数:35基
 機  長:最短23m、最長86m
 延べ長さ:1,755m    
 踏み段 :特殊スチールコード入り溝付きゴムベルト
 受 注 :2002年6月
 納 入 :2004年9月

■設置場所
 旅客ターミナルビル内の制限エリア全域
  チェックインから出発ゲート(3階)
  到着ゲートから到着ロビー(2階)

■フラット・コム構造図

フラット・コム構造図
動く歩道